【北京の食文化】今日から二伏、麺を食べよう!

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本日7月24日から、二伏に入りました。
今日は麺を食べる日です。

P1120439.jpg
(これは茄子麺)

伏天に入って、もう10日も経ったのですね。
道理で毎日暑いわけです。

あー、訳分かりませんね。
ご説明しましょう。

伏天(fu2tian1)というのは、暑さの一番厳しい時期のこと。
一伏、二伏、三伏があり、この三つを合わせて三伏天(san1fu2tian1)と呼びます。

 一伏 … 夏至から数えて三番目の庚の日から四番目の庚の日の前日まで。
       (頭伏、または初伏とも言う)

 二伏 … 四番目の庚の日から立秋の後の最初の庚の日の前日まで。
       (中伏とも言う) 

 三伏 … 立秋後の最初の庚の日から二番目の庚の日の前日まで。
       (末伏とも言う)

庚(かのえ)というのは、十干の「甲乙丙丁戊己庚辛壬癸」のうちの「庚」。
だから一伏、二伏、三伏は基本的に10日間です。
どうして「基本的に」かというと、
立秋がどこに入るかによって二伏の長さが変わるから。
二伏は、「立秋の後の最初の庚の日の前日まで」なので、
立秋が「辛壬癸」のどれかにあたっている年は、
二伏の最終日がもう一巡後ろにずれてしまうのです。
そういう年には閏二伏があって、二伏は20日間になります。

ちなみに、今年の二伏も20日間です。

 一伏 7月14日~23日
 二伏 7月24日~12日(立秋は8月7日)
 三伏 8月13日~22日 

ところで、どうして庚の日なのかは、陰陽五行説と関わりがあります。
これを説明しようとするとえらく長くなってしまうので、
それはこのページの「3.三伏の意味するもの」をご参照ください。
(と、私はラクチンをする・・・)

伏天には、「頭伏餃子、二伏麺、三伏烙餅摊鶏蛋」と言って、
それぞれの日に食べるといいとされているものがあります。

 一伏(開始日) … 餃子
 二伏(開始日) … 麺
 三伏(開始日) … 烙餅に卵焼きがサンドされたもの
             または烙餅に卵焼きを自分でのせ巻いて食べる

P1050726.jpg
(これは二年前に食べた烙餅摊鶏蛋。)

その間に、立秋が挟まります。
立秋は8月7日。
この日は、貼秋[月票]の日なので、
豚のすね肉を煮込んだものや、腸詰めなど、油のたっぷり乗ったお肉を食べます。
これは、夏バテ回復のため。
詳しくはこちらの貼秋[月票]についてのエントリーでどうぞ。

これを食いしん坊カレンダーにすると、こうなります。

 7月14日 一伏(開始日)  … 餃子
 7月24日 二伏(開始日)  … 麺
 8月7日  立秋        … 脂身ののったお肉
 8月13日 三伏(開始日)  … 烙餅に卵焼きがサンドされたもの

この間、北京は行事食が目白押しですね。

ところで、7月14日の一伏に入った日には、
茶旅人であり「北京食の歳時記」という企画の発案者である
Sさんと数人で餃子を食べてきました。
(14日当日にブログでアップするのを忘れてしまいました。)

P1160647.jpg
(これは北京っ子がだーいすきな茴香と豚肉入りの餃子。)

この日にどうして餃子を食べるのかについては、
明確な記述が見つかっていないので不明。
つるりと食べられるから夏バテしてても食べやすいとか
まだ暑くなりきる前に精が付くものを食べておくためとか
暑くなると餃子を包む気力さえなくなるからその前に食べておくとか、
いろんな説があるようです。

*****

ところで、日本では「伏天」の行事食の習慣はないようですが、
「三伏(さんふく)」という言葉自体は残っています。

茨木のり子さんの詩集に、「三伏の夏」という言葉の出てくる詩があります。
思潮社の現代詩文庫20「茨木のり子詩集」に収められている
「ほうや草紙」という作品です。

この作品は未刊詩編なので創作年は不明ですが、
茨木さんと詩中に登場する谷川俊太郎氏との親交は
同人誌「櫂」が創刊された1953年以降のことのようですし、
そしてこの詩集が出たのが1969年ですから、
1950~60年代後半あたりに書かれたものでしょう。
その頃には、「三伏」という概念が日本でも一般的だったということでしょうか。
まあ、詩人でいらっしゃるのでこうしたことにお詳しかったのかもしれません。

改めて調べてみると、
手紙の時候の挨拶にも、「三伏の候」「三伏の猛暑」というのがありました。
これも前出のこのページで知りました。

さらに、韓国にも北京と同じように行事食を食べる習慣があるそうです。

韓国語では「三伏(サンボク)」と言って、
ケジャングッ(犬肉の煮込みスープ)やサムゲタンを食べるとか。
このページを参考にしました。)
どれも滋養強壮、健康増進が目的のようです。

中国(北京)、韓国、日本。
伝統の食文化は、つながっているのですねえ。


▼これまでの「三伏」、立秋の関連記事:
【北京の食文化】頭伏餃子、二伏麺、三伏烙餅攤鶏蛋
【北京の食文化】貼秋[月票]
【北京の食文化】今日から三伏!(お詫びと訂正)
【北京の食文化】烙餅攤鶏蛋
【北京の食文化】今日は立秋!貼秋[月票]
【北京の食文化】いよいよ今日から!・・・三伏です。


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コメント
この記事へのコメント
主食話
大変興味深く拝見致しました。
主食の話はやはり興味あります。
北京の麺といえばやはり炸醤麺はもちろんのこと、大卤面もそうでしょうか?
2009/07/24(金) 22:39 | URL | 龍心 #iOCS38IQ[ 編集]
龍心さんへ
北京で麺と言えば、おっしゃる通り炸醤麺ですね。
このエントリーで使った茄子麺もとてもポピュラーな麺ですよ。
これもあんかけ麺(打卤面)の一種です。
2009/07/25(土) 11:32 | URL | ayazi #-[ 編集]
打卤面
打卤面,でしたね。
改めて勉強になりました。
喉ごしのよい麺を食べたいですね。
2009/07/25(土) 21:18 | URL | 龍心 #iOCS38IQ[ 編集]
龍心さんへ
こちらにいると、つるつるっとのどごしのいい日本の麺が恋しくなります。
讃岐うどん、食べたいです。
2009/07/26(日) 09:44 | URL | ayazi #-[ 編集]
炸醤麺対打卤麺
北京のBLOG仲間に、北京では炸醤麺と打卤麺のどっちが人気あるのかと質問したことがあります。そうしたらわざわざアンケート調査をしてくれました。その結果は下です。

http://blogs.yahoo.co.jp/keainvrenid/23063033.html

結果は炸醤麺の圧勝と思いましたが、打卤麺の意味は広いようで、炸醤麺と比べるのは無理だったかな。
2009/07/28(火) 12:45 | URL | ジミー荒川 #-[ 編集]
ジミー荒川さんへ
打卤麺はあんの種類を問わずあんかけ麺全般を指す言葉ですから、確かに同じ土俵の調査にはならないかもしれませんね。
純粋に料理名としての比較をするのであれば、炸醤麺、西紅柿鶏蛋麺、茄子麺・・・というように具体的な名前を出さないといけなかったのかもしれません。
でも逆に、あんかけ麺全般と比べても炸醤麺がこの数ということは、圧倒的に支持されている(ほとんど圧勝)と言ってもいいのでは?
2009/07/28(火) 19:06 | URL | ayazi #-[ 編集]
ケジャングッ(犬肉の煮込みスープ)
お久しぶりです。
犬肉の煮込みスープ、大阪の中国料理店でいただいたことがあります。
韓国の方の経営のお店で、夏にまかない食のおすそわけをいただきましたので、もしかしたら三伏だったのかもしれません。
暑いときに、体によいからと勧められて、食べると体が熱くなっていくように感じてしまいました。

来月は北京からのお客様を迎えます。二伏にあたりますので、面を食べに誘ってみようと思います。

西紅柿鶏蛋面はよく食べますが、茄子面はあまり意識していませんでした。
http://4travel.jp/traveler/nao0880/pict/12544349/src.html
上は、茄子面かもしれません。
面は器に入って出てきて、写真の具材をかけて食べました。
2009/07/29(水) 12:43 | URL | nao0880 #4aiYG7/g[ 編集]
nao0880さんへ
犬肉は身体を温める性質の食べ物と言われています。
身体が熱くなったように感じたとのこと、それが証明されたということでしょうか。

麺を食べるのは二伏に入ったその日だけで、二伏の間中食べるということではないようです。
茄子麺、実は結構ありますよ。
メニューの後ろのほうにひっそり書いてあります。
nao0880さんが召し上がったのはまさに茄子麺だと思います。
まあ、私も「茄子がごろごろ入っていれば茄子麺」くらいの認識なんですけどね(笑)。


2009/07/29(水) 19:02 | URL | ayazi #-[ 編集]
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