【S先生家】元宵湯圓,似是而非

【S先生家】元宵湯圓,似是而非
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元宵と湯圓、似て非なるもの
元宵湯圓,似是而非(yuan2xiao1 tang1yuan2,si4shi4er2fei1)
P1130871.jpg
【データ】とき:2月10日/ところ:北京・-/ねだん:-

元宵節から一夜明けた2月10日。
一日遅れではあるけれど、元宵を食べる会というのに参加した。
大学の先輩Sさんのお声がけになる「北京食の歳時記」という企画の第一回。
これ、北京の行事食を食べて、食文化について語ろうという催しだ。

最初はレストランでの開催を考えていたのだけれど、
最近レストランで供されるのはほとんどが湯圓。
せっかく北京にいるのだから、やっぱり元宵が食べたいよね。
どうせなら湯圓と食べ比べてみたいよね。
ということで、
半ば強引にSさんのお宅を会場にさせていただいた。

この日試食して比較してみた元宵と湯圓は、
「週刊中国的生活」のともこさんが調達してくださった。

元宵はローカルスーパー京客隆の特設元宵コーナーのもの。
P1130859.jpg

湯圓は龍鳳と三全菱のもの。
P1130856.jpg P1130857.jpg

*実はともこさんはすでにこのテーマで詳細なレポートをアップされているので、
こちらのほうもぜひ!

混同している、もしくははなからそんなこと気にしちゃあいない方も多いと思うけど、
元宵と湯圓は似て非なるものだ。

どちらも黒ごまや小豆あんなどを餡にしたゆでた白玉団子ではある。
でも、その製法が大きく違っている。
元宵が上新粉を入れた篩いの上で餡玉を揺すって雪だるま方式で作るのに対し、
湯圓は上新粉を練って生地にし、それで餡をくるんで作る。
元宵は北方中国、湯圓は南方中国の食べ物だ。

製法が違えば、質感も違う。
元宵はごつごつと不格好で素朴な外観。
P1130858.jpg
(元宵は冷凍ものではなく、作ってそのまま売られている。)

湯圓はつるりとなめらかだ。
P1130860.jpg P1130861.jpg
(こっちは冷凍もの。)

ゆでる時間も違う。
元宵よりも湯圓のほうが早くゆであがる。
P1130864.jpg P1130866.jpg
(↑左が湯圓で、右が元宵)             (↑元宵)

それに元宵のゆで汁のほうが粉が溶けて白く濁る。
P1130869.jpg P1130867.jpg
(左が湯圓で、右が元宵)

練り生地じゃなくて粉を付着させただけだから当たり前だけどね。

もちろん食感も違う。
元宵はみっしりと密度感があって、どっしりもっちりとした歯ごたえがあり、
「餅(もち)」感が強い。

P1130872.jpg
(↑元宵)

豆餅や海苔餅みたいな、しっかりした粘り気がある。
くちゃくちゃと歯にくっつく感、とでも言えばいいだろうか。
上新粉の風味も濃密に感じられる。

P1130873.jpg
(↑元宵。あんは黒ごま。)

湯圓はつるりとやわらかで喉ごしもなめらか。

P1130875.jpg
(↑湯圓。あんは小豆。)

これは日本の白玉団子とほぼ変わらない食感だ。

P1130876.jpg
(↑湯圓。あんは黒ごま。)

どちらが好きかは好みにもよるところ。
単においしさの評価で言えば、
もちもちとしたお餅の味がしっかり感じられる元宵のほうが断然おいしい。
ただ、甘いものと、実はお餅もそれほど好物ではない私にとっては、
湯圓の軽さが逆にありがたく感じられた。
ことに、6個もお団子食べたりすると、ね。

おやつとしてそれメインで食べるなら元宵、
食事の最後にちょっとデザートとして食べるなら湯圓、
といったところだろうか。

私が北京に来た当時は、北京は元宵メインだった。
元宵が近づくと、街角に元宵を売る露天のお店が出て、
篩いでコロコロと元宵を作りながら売っていたものだ。
今考えれば、砂埃ブレンドの特製元宵だった訳だけど、
当時はそうしたことはあまり深く考えなかった。

今では、衛生面の配慮からか、屋台の元宵屋さんはすっかり姿を消し、
そして無骨でどっしりと食べでのある感じが嫌われたのか、
元宵自体もあまり人気ではなくなり、
つるりとした湯圓が元宵にとって代わっているように感じる。

1980年代の終わりごろに北京に留学したそうこさんによると、
「私が最初に留学をした1980年代の終わりごろは、
 老舗の元宵以外は手作りで、北京に湯圓はありませんでした。 」
とのこと。

北京に湯圓が登場したのは、冷凍食品の普及のおかげかなあ。

その湯圓だが、広州などでは「湯丸」とも呼ばれているようだ。
広州在住の酒徒さんのブログには、「佳叔湯丸王」というお店が紹介されている
(ってことで酒徒さーん!
 「北方では湯丸のことをそのまんま元宵と呼ぶらしい」は違いますよー。)

なんでかな、と思ってお連れ嬢に疑問をぶつけてみたら、
広州人にインタビューしてくれた。
そのレポートによると、
「湯圓と湯丸は全く同じもので、
 通常、 普通話(共通中国語)で言う場合、「湯圓」と言うことが多いそうです。 」

さらに
「湯圓と湯丸の発音は全く同じ(トーンユン)だそうで、
 広東語で「トーンユン」と口にする時は、
 頭の中ではこの2者を区別していないとのこと。 」

お連れ嬢、調査レポート感謝!
ふーむ、広東語では「圓」と「丸」は発音が同じなんだあ。
(ちなみに共通中国語では、「圓(yuan2)」と「丸(wan2)」で発音が違う。)
俗字、かな?
「橘」を「桔」と書くのと同じ感覚なのかな。

まあなんにしても、広東の人も元宵節にはお団子を食べることに変わりはない。
そもそも、「元宵」は正式には「元宵団子」。
「元宵節(上元=陰暦1月15日の夜を祝う節句)」に食べる団子のことだ。
その意味では元宵も湯圓も、「元宵団子」なんだよな。
あれ?
ややこしいこと言ってる?

広東など南方で「元宵」と呼ばれていないのは、
「元宵節に食べる以外にも
 普段も専門店がある位食べている普及した食物だからかも!? 」
というのはお連れ嬢の推測。

そうそう、確かにそうかも。
元宵節に食べるお団子は、昔は特別な食べ物で、
普段は食べられないご馳走だったのだ。

だから、北方では
「元宵」という「元宵節だけに食べる特別なお団子」の意味が入った名前が残ったのに対し、
南方では食品そのものの名前である「湯圓」や「湯丸」と呼ばれているってことは、
南のほうが普段からお団子が身近な存在だったってことで、
すなわち豊かだったことの証なのかもしれない。
これは単なる私の推測。

ところで、元宵節になぜ元宵を食べるかは、
正月十五日の満月に合わせてまんまるいお団子を食べて一家団らん幸せ円満、
ということのようだ。

私たちも一日遅れではあったけど、
そして家族が揃ってという訳ではなかったけど、
それでもおウチで食べる元宵節のお団子はなかなかに幸せな味だった。

▼過去の元宵、湯圓関連記事
【真功夫】三喜甜心湯圓


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コメント
この記事へのコメント
ちょうど10年前に街角で元宵を見かけました。チョコレートとかゴマとかきんもくせい味とか・・表示から見るにお菓子か?と思う買って帰ってからそのまま食べました(笑)まずいまずい中国人はこんなまずいもの食べるのか!と。。。だってその当時スーパーとかの量り売りのお菓子はどれもまずかったので、それもまずいお菓子だと疑いもしませんでした。それから2年くらいしてからかな?当時「生」で食べたのが元宵でゆでて食べるものだとわかったのは。今ではいい笑い話です・・
2009/03/10(火) 18:37 | URL | g #mQop/nM.[ 編集]
gさんへ
元宵を、生で・・・!!
それはさぞ「まずいまずい」だったことでしょう。
みなさん一つ二つはこうした笑い話を持っていると思いますが、これはかなり超級ですね!
量り売りのお菓子は、確かにおいしくなかったですよね。
それに比べると、今はずいぶんおいしいものが増えて、うれしいような気もしますが、逆に言うと面白みもなくなったかもしれません。
まあ、贅沢な悩みですけれど。
2009/03/10(火) 23:27 | URL | ayazi #-[ 編集]
普段のおやつ用に冷凍庫に湯圓を常備しているわたしですが、元宵のモッチリ感にはハッっとさせられました。あの、不格好な姿と、スマートではない味は、まさに北京的ですね・・・。
おやつには日々進化している湯圓を食べたいですが、年に1回のイベントは、元宵をゆっくり味わいたいと思いました。
2009/03/12(木) 19:53 | URL | ともこ #JGZTw3/w[ 編集]
ともこさんへ
>不格好な姿と、スマートではない味は、まさに北京的ですね・・・。

激しく同意!
そんな北京をこよなく愛しています。

湯圓、私は四川料理のお店でよくある酒糟風味のものが一番好きです。
あの生あったかーい微妙な温度も含めて好き。
なんてことを書いていたら、久しぶりに食べたくなってしまいました!
2009/03/13(金) 17:19 | URL | ayazi #-[ 編集]
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