【[T]AVOLA】瑪格麗特比薩

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ピッツァ・マルゲリータ
瑪格麗特比薩(ma3ge2li4te4 bi3sa4)
P1120019.jpg
【データ】とき:10月18日/ところ:燕莎橋・[T]AVOLA/ねだん:88元

私はナポリ風のピッツァが大好物だ。
「額縁」という意味のコルニチョーネ(縁の部分)はぷっくりとふくれて香ばしく、
焼きたてのフランスパンみたいな風味がして、
さらにちょっと焦げ目がついてたりなんかして、
そいでもって真ん中の部分は薄手でやわらかくもちもち。
トマトソースたっぷりでモッツァレラチーズもとろっとろ。
手で持ってかぶりつけないほどやわらかくて、
ナイフとフォークで食べないといけない。
これはナポリのピッツァの大きな特徴だ。

東京で働いていた頃、中目黒にあるSAVOYというピッツェリアが
そりゃあもう大好きで大好きで、
3週間に2回くらいの割合で通っていた。
今でも、一時帰国をすれば必ず行きたい店だ。
オープン1周年記念でお店が作ったSAVOY手ぬぐいは、
未だに使えずにずっと大切にとってある宝物だ。

スイングと映画とスヌーピーとフィアットが大好きなオーナーの
それぞれに対する愛があふれた小さなお店。
お店を入ったところに置かれた大きなスヌーピーのフィギュアの前には
ブリキのバケツをひっくり返した小さな「テーブル」が置いてあって、
毎日小さなピッツァがお供えされていたっけ。

カウンターの窯前の席に陣取って、
オーナーでありピッツァヨーロでもある柿沼さんが
木箱からぷっくりふくれたピッツァの種を取り出して
大理石の台の上でぺたんぺたん、くるんくるんと生地をのばし、
すばやくトッピングを施し、
最後にちゅちゅちゅっとオリーブオイルを振りかけて、
ちろちろと直火の燃える釜でピッツァを焼く様子を
ナストロ・アズーロをぐびびと飲みながらぼーっと見ているのが大好きだった。

用意した生地がなくなってもう店じまいという時間帯に
釜の中の残り火が温かくまたたく様子は、
ピッツァ好きが高じて訪れたナポリの街の夜景そっくりだった。

汗かきの私は、夏場はこの窯前の特等席に座ることができない。
だからこれは涼しくなってからしか味わえない贅沢だ。

この席は見学の一等席であると同時に、
食いしん坊にとっても最高の席。
だって、焼きたてのピッツァをどこよりも早く食べることができるんだもの。

そして、柿沼さんとぽつりぽつりとお話するのもこの席ならではの楽しみだ。
「今日の生地は少し固めですね。」
「今日はいつもよりしっかりめに焼けてますね。」
試行錯誤を繰り返し、
またその日のコンディションによっていろいろとやり方を変えているに違いないのに、
こちらがこんな感想を言うと
「いや、いつもと同じですよ。」
といつも変わらぬ白いTシャツ姿で静かに答える。
そこがなんとも男前なのだった。

ピッツァの種類はマルゲリータとマリナーラの二種類。
(お願いするとビアンカを焼いてくれる時もあるけど。)
どちらも捨てがたくて、行けば必ず無理してでも二種類食べるのが常だった。

「サービスが悪い」とか
「メニューが少ない」とか
「店が狭い」とか
いろいろ言われたこともあったようだけど、
私にとっては永遠の幸せの場所。
ピッツェリアはピッツァの専門店で、日本で言えばラーメン屋みたいなものだ。
ふらっと入って、さくっと食べて、ビールの一杯でもひっかけて、
さっと出てくるような店だもの。
いいのだ、少しぶっきらぼうなくらいで。

それに、私自身はこの店でいやな思いをしたことはない。
柿沼さんは愛想笑いもお世辞も言わないし、
これ見よがしのサービスもないけれど、
人待ち顔で一人ぽつねんと座っているのを見て
そっとカンパリソーダを出してくれたこともあるし、
たまに顔を出して一段落したあたりをねらって声をかければ
「帰国されてるんですか。」
と立ち話もしてくれる。

そんな思い出のつまったSAVOYは今でははす向かいに新店舗をオープンし、
名前も聖林館に変わった。
鉄で「タタキツクル」造形作家の倉田光吾郎さんが手がけた
鉄とガラスのファサードと、
ファンタジー系の物語にでも出てきそうな螺旋階段、
そして工場みたいな鉄製のピッツァ窯が印象的な異次元空間だ。

▼倉田さんのサイトで、旧店舗(SAVOY)と新店舗(聖林館)を見ることができます。
SAVOY
聖林館 

*ちなみに製作過程もとても面白いので、「製作記詳細」のほうもぜひどうぞ!

外観も店内も、なんだかファンタジーに出てくる空飛ぶ大型船の機械室みたいで
とにかく度肝を抜かれる不思議さだ。

でも柿沼さんとピッツァは変わらず。
帰国しても行けないこともあるけれど、
あそこに行けばいつでも聖林館があって、
白いTシャツを着てピッツァを焼き続ける柿沼さんがいて、
そしてあのもちもちピッツァが待っていると思うとそれだけで安心する。

実は最近、いつも食についての知識を教えてくださったり
美しいスイカの花を彫ってくださったフードコーディネーターのHさんも、
このSAVOYのファンだったと聞いて驚いた。

「ayaziさんもSAVOYのファンだって知って、鳥肌が立ちましたよ!」
ある日ゆっくり飲んだ時に、Hさんが目を輝かせてこう言った。
食べることが大好きで、
北京で食べ物つながりでひょんなことから知り合った二人が、
同じ店をこよなく愛して通っていたなんて!
その日はSAVOYと聖林館を話題に深夜まで話が弾んだ。

北京に来たことをつゆほども後悔はしていないけれど、
唯一かなしいのはSAVOYのピッツァを食べられないこと。
「本場のピッツァ」という触れ込みのお店に行っても、
ミラノ風のパリパリの薄いタイプでがっかりするばかり。
ああ、ナポリのピッツァを愛してしまったばっかりに・・・
喪失感は深まるばかりだった。

しかし、北京の地を踏んでから実に11年目の今年、
「ナポリ風のピッツァ」を売り物にしたイタリアンレストランが登場した。
それが亮馬橋外交公寓に開店したイタリアンレストラン、[T]AVOLA。
シェフのお母様がナポリ出身とかで、
水牛モッツァレラチーズを使ったピッツァが自慢なのだという。
写真を見れば、
焦げ目のついたふっくらコルニチョーネのまぎれもないナポリのピッツァ!
我知らず心が弾んだ。

ある休日の昼下がり。
宣伝文句の真偽を確かめるべく、[T]AVOLAを訪れた。

P1120015.jpg

きりりと冷えたソアーヴェの白ワインが
よく晴れた休日の午後の気分にぴったり。

P1120014.jpg

まずはシーフードサラダ(78元)でスタート。

P1120017.jpg

アサリやイカがたっぷり。
それにルッコラがちょろり。
シーフードがたくさん食べられてうれしいけど、
海の国の民にとっては鮮度が今ひとつかな。

シーフードサラダにはお野菜があんまり入ってなかったので
ミックス野菜サラダ(48元)を追加。

P1120022.jpg

これは野菜たっぷりで満足。
パルミジャーノ・レッジャーノが惜しげもなく使われているのと、
アーティチョーク(カルチョーフィ)がドカンと入っているのがうれしい。

さらにちょっと贅沢してビーフ・タグリアータ(198元)。

P1120024.jpg

サーロインの薄切り肉のステーキ。
たっぷりのルッコラとバルサミコ酢の風味でさっぱりいただける。

P1120027.jpg

しかし、プリモもセコンドも無視した滅茶苦茶なオーダーだな・・・

そしてお目当てのピッツァ・マルゲリータ。

P1120018.jpg

これが・・・十分期待に応えるおいしさだった。
ナポリのピッツァそのものかと言われると完全に自信があるわけではないけど、
私が北京で食べた中でダントツ一番にナポリのものに近い。

コルニチョーネはしっかりした歯ごたえ、
あとはもちもちのあのナポリのピッツァ。

P1120020.jpg

お店によると、
チーズは輸入水牛モッツァレラチーズ。
上にパラパラと細かいチーズが振りかけられているのは余計だけど、
その他はかなり、かなり、ナポリっぽい。

苦節(?)10年。
ようやく北京でもナポリ風のピッツァを食べられる日がやってきた。
感涙だ。

唯一心配なのは、オープンしてからしばらくして本国のシェフが引き揚げ、
味が落ちてしまうこと。
お願い[T]AVOLAさん。
どうか今のレベルをいつまでも維持してくださいね。


■お店情報
[T]AVOLA
朝陽区東方東路19号亮馬橋外交公寓B区A座2階
010-8532-5068
*亮馬橋路を挟んでケンピンスキーホテルの向かい側。
  一戸建ての家の並ぶ亮馬橋外交公寓のすぐ脇の道を入り、
  少し進んだ左手にあるビルの2階です。

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cover_manpuku.jpg
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