【記酒家】香港マカオ食い倒れ紀行2007(之一)

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ローストグースを噛みしめる夜
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【データ】とき:11月21日/ところ:香港(中環)・記酒家/ねだん:?(おごりでした)

【記酒家】香港マカオ食い倒れ紀行(プロローグ)からの続きです。)

今回個展が開かれた画廊からほど近いところにある記酒家は、
ローストグースとピータンが有名なレストラン。

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今度香港に行くにあたっておいしいレストランはどこかを尋ねた香港在住経験のある方からも、
名前の挙がっていたレストランだ。
今さら私が紹介するまでもない有名店である。

お店の外からは厨房にぶら下がるローストグースやチャーシューなどが見えて、
香港気分が盛り上がる。

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トットットッと階段を上がって二階に行くと、そこには長蛇の列が出来ていた。

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人気店なのである。

S氏の姿が見えた。
「おお!来たか来たか!」
「これ、並んでるの?」
「そう。もう30分くらいになるかな。」
磊落に笑って、私に番号札を見せた。

ふと気づくと、S氏の隣に不思議な風貌の男性と西洋人女性が立っている。
「あ、この人はWさん。で、こちらが奥さんのIさん。」
「あ、どうも。」

握手をしながら豪快に笑った男性は、
長髪を束ねてちょうど道教の道士のように後ろにまとめ、
これまた長く伸ばしたひげを細い三つ編みにして垂らしていた。
鼻にはサングラスが乗っている。

「Wさんは観念芸術家なんだよ。Iさんも芸術家。アイスランド人なんだ。」
コンセプチュアル・アートっすか。

聞けば、W氏はS氏の弟氏が出た大学の同窓生だと言う。
アイスランド、ドイツ、中国、香港あたりを行き来して芸術活動をしているんだとか。
ちなみにW氏は、フィラデルフィア美術館にあるデュシャンの「泉」で小用を足し、
レディーメイドのアートに本来の機能を再度もたせたという強者である。

今回香港に来たのは、「鍼を打ちに来た」とかで、なんともグローバルな行動範囲だ。
S氏とは約束していた訳ではなく、たまたま画廊に顔を出して会い、
「一緒にメシでもどうだ?」
ということになったのだそうだ。

中国人と行動していて面白いのは、
こんな風に急に予定が決まったり、変わったりすることだ。
彼らは徹底的に当日主義でその場主義だ。
ゆるゆるにしか予定を決めず、その場で臨機応変に対応していく。
それはいい加減と表現することもできるし、フレキシブルと表現することもできる。

でも、思いがけない出会いと経験が出来るという意味では、
こちらのほうがエキサイティングであることは間違いない。
香港第一夜の食事が道教信者みたいな奇妙な風貌のアーティストと
アイスランド人の女性と一緒だなんて、
朝北京で豆汁をすすっていた時には夢にも思わなかったことだ。

S氏が個展を開いた画廊は、
中国の現代アートをいち早く世界に向けて発信したところで、
画廊の面積の小ささとは対照的にその影響力は巨大だ。
ここは中国メインランドのアーティストの香港での拠点のようになっていて、
様々なアーティストが入れ替わり立ち替わり出入りする。

W氏もこの画廊の常連でよく出入りするそうだ。
この日は画廊にあった赤ワインを4本も空けたとかで、すっかりご機嫌さんになっていた。

中国人アーティスト3人、アイスランド人アーティスト1人、
そしてただの日本人食いしん坊1人は、
なぜか一緒に記酒家で席が空くのを待っている。
これも何かの縁だろう。

30分ほど待って、ようやく席が空いた。
やれやれと席につくと、目の前には肉加工品の壁が広がっていた。

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私は肉加工品が好きだ。
ハム、ソーセージの類に目がない。
小学生の頃、「大どろぼうホッツェンプロッツ」という本で、
大魔法使いツワッケルマンの厨房の挿絵を見て以来、
壁一杯にぶら下がる肉加工品に憧れていた。
ドイツのデリカテッセンや、スペインのバルなんかに行ったら、
きっと狂喜のあまり小躍りしてしまうことだろう。

思わず壁に目を奪われる。
いやいや、いけない。
今日はこちらではなく、ローストグースを食べに来たのだった。
それに、この食卓はI女史のおごり。
出された料理を美味しく食べておしゃべりを楽しむことに集中しよう。

まずはこれ。
記酒家の名物のうちの一つだ。

特製皮蛋酸姜(ピータンしょうが)
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北京でももちろん皮蛋はあるが、
こんな風に甘酢漬けのしょうがと共に供されるのは見たことがない。
北京のにもしょうがはついてくるが、ただの細切りだ。

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この皮蛋が素晴らしかった。
私は実は発酵の進んだ皮蛋の臭みが苦手で、黒酢がないとちょっと厳しい。
ところがここの皮蛋は、うるうるしていて、まろやかで、とろりとしていて、
舌にまとわりつくような質感でありながら、
いやな臭みがなくてとても食べやすい。

もともと臭い皮蛋好きには物足りないかもしれないが、
このマイルドさが私にはまさにストライクゾーンだった。

金牌焼鵝(ガチョウのロースト)
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ローストグースである。
ダックじゃなくてグース。
ガチョウである。
金牌と冠がつくだけあってこれがこのお店の名物。

・・・なんだけど、これはちょっと期待が大きすぎたのか
思ったほどの美味しさではなかった。
もう少ししっとり感を残して仕上げたほうがいいと思うんだけど。

甘い梅のソースもいいけど、私は醤油+胡椒のほうが合っていたかな。

そのまま食べるより、ご飯のっけにしたほうが美味。

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本当は
「お店で食べると高いからチャーシューや卵と一緒にお持ち帰りしたほうがいい」
というアドバイスをもらってたんだけど、
こんな展開だったのでそれは断念。
店内にテークアウト売場があるようなので、
待たずに手っ取り早くグースだけ食べたいって人はこっちのほうがオススメらしい。

さて、後はもう正式メニュー名も不明なので、
とんとんと写真で紹介していこう。

揚げた卵豆腐ときのこのうま煮
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卵豆腐をこんな風に炒め煮にするのは、中国でしか見たことがない。
なぜか「日本豆腐」と呼ばれる卵豆腐だが、調理法は中国オリジナルだ。

茄子と蟹肉の炒めもの
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オーダー担当のI女史が「大丈夫?おいしい?」ととても気にしていた。
美味しかったですよ!

厚揚げ豆腐
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西湖牛肉羹(牛ミンチのスープ)
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胡椒を振るのがここのスタイルらしい。

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白身魚と野菜のソテー
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これがガルーパなのか?
淡泊で食べやすいお魚。

揚げワンタンの甘酢あんかけ
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ワンタンにも蝦入り。
あんはちょっと甘め。

ゴマ団子
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久しぶりに食べたゴマ団子。
黒ごまあんが美しいですねえ。

ところで、香港では2007年1月1日から公共の建物内で禁煙。
ヘビースモーカーのW氏、弟氏はしばしば中座して外へタバコを吸いに出かけた。
ずっとI女史の通訳代わりを勤めるW氏が席を外すと、
残されるのはS氏と私。
英語は本当にカタコトのS氏だから、通訳の役は自然に私に回ってくることになる。

I女史が話す英語を私がなんとかかんとか汗をかきながら中国語に訳すと、
S氏がカタコトの英語を交えた中国語で返す。
すると私がしどろもどろで英語にするより先に
ちょびっとだけ中国語が分かって(そしてたぶんとてもカンのいい)I女史が
すぐに意味を悟って次の会話に移り、
それをまた私が中国語にすると、
S氏がヘンチキリンな英語+中国語で答え・・・
という奇妙なサイクルで会話は進んだ。

S氏は臆せずどんどん話す。
言えないことがあっても、中国語と身振り手振りでガンガン押していく。

私は秘かにS氏にシャッポを脱いだ。
S氏にとっては「英語が話せない」ことよりも、
「I女史と話したい」ことのほうが優先だ。
だからヘンチキリンな英語になることをこれっぽっちも恐れていない。

確かに、S氏よりも私のほうが英語ができる。
でも、I女史がもっと話したいと思う相手は、間違いなくS氏のほうだろう。

ローストグースを噛みながら、そんな思いも噛みしめた香港の第一夜だった。

(【紫荊海鮮酒家】香港マカオ食い倒れ紀行2007(之二)に続きます。)


■お店情報
記酒家(ヨンキーレストラン)
中環威霊頓街32-40
32-40 Wellington Street, Central, Hong Kong
2522-1624
お店のページ → http://www.yungkee.com.hk/profile/profile-j.html


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コメント
この記事へのコメント
こんばんわ、ayaziさん。ヨンキーのピータンは世界一、最高ですよね。香港ではピータンにグラニュー糖をほんの少しパラパラとかけて食べます。すると、あ~ら不思議と、あの硫黄臭さが消えちゃうのです。グラニュー糖、付いて来ませんでした?実は私、北京歴は3回!ですけど、香港歴は10数年・・。上環は香港の中でも大好きな場所です。
2007/12/10(月) 00:57 | URL | みれん #-[ 編集]
みれんさんへ
なんと、香港歴10数年のベテラン大先輩でいらっしゃったのですね!
では、この後数回は「何を今更・・・」な内容かもしれません。

ヨンキーのピータン、おっしゃる通り最高に美味でした。
グラニューは見かけた記憶はないのですがもしかして予めかかっていたんでしょうか。
かかっていなくても、十分マイルドで食べやすかったです。
2007/12/10(月) 02:16 | URL | ayazi #-[ 編集]
あっ,間違えちゃった!香港に通うこと、10数年の間違えでした。ゴメンナサイ。
でも、最近は北京に熱をあげているので、ちょっとご無沙汰していました。なので、ayaziさんの香港ガイド、とっても楽しみですよ。
2007/12/11(火) 22:17 | URL | みれん #-[ 編集]
みれんさんへ
いやいや、通うこと10数年でも私よりずっとずっとベテランさんですよ!
北京も面白いですが、時々行くと香港もいいですね。
ただ、暑くて湿気がすごいのと、室内の冷房の寒さに耐えられず、
滞在は3~4日が限界ですが・・・
2007/12/12(水) 11:35 | URL | ayazi #-[ 編集]
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