【海碗居】炸醤麺

【海碗居】炸醤麺
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ジャージャン麺
炸醤麺(zha2jiang4mian4)
P1060973.jpg

【データ】とき:10月28日/ところ:松楡里・海碗居/ねだん:10元

「正直なところ、炸醤麺を食べて心の底から美味しい思ったこと、ないんですよね。」
「そうそう、実は私も!」
北京在住も10年近くになろうという友人と、よくこんな会話をする。

北京で炸醤麺を売りにしたお店は数あるし、
老北京菜と銘打ったお店ではほとんど例外なく炸醤麺を扱っているが、
「これ!」という炸醤麺に出会ったことがない。

そんな時、別の友人が言った言葉が脳裏に焼き付いた。
「私が食べた中で一番美味しかったのは、海碗居の炸醤麺ですよ。」

それ以来、海碗居の炸醤麺を食べることが、私の秘かなテーマとなった。

ところが・・・
私の生活圏内には海碗居の支店がない。
海碗居の支店は西側の郊外に集中しているのだ。
10元程度の麺一杯のために、
はるばる北京市を突っ切って西へ遠征するのは実は結構面倒で
なかなかお尻が上がらなかった。

ある日、友人とどういう弾みか炸醤麺の話になり、
改めて調べてみたら東側にも一つ支店があることが分かった。
それが今回行った松楡里店だ。

東三環路を南下し、華威橋で左折。
東にしばらく行ったところに、憧れの海碗居はあった。

P1060981.jpg


海碗居は、いわゆる「老北京(lao3bei3jing1)」、
つまり古き良き伝統の北京をテーマにしたレストランだ。

海碗居のホームページ(中国語ですけど)

店内のインテリアも昔ながらの北京風だし、
店員さんたちの制服も昔の「伙計(huo3ji4)=旧時の店員、小僧さん」風。

P1060958.jpg


テーブルの上に無造作に置かれた生のにんにく、お酢入りの陶製調味料入れ、それに小皿。

P1060965.jpg


調味料入れの蓋や小皿が欠けているあたりがまた風情があっていいではないか。

海碗居と言えば炸醤麺。
いわゆる「海碗」というのは、麺を食べる時に使う大きなどんぶりのこと。
なんでも、北京っ子の性格はどんぶりみたいにさっぱりと太っ腹で、
麺を食べる時もおおぶりのどんぶりを使うのを好んだ。
で、麺を食べる時のどんぶりを「海碗」と呼ぶようになったのだそうだ。

炸醤麺の麺の上に載せる具はお店によってこだわりがある。
海碗居の具は、胡瓜の千切り、紅芯大根の細切り、にんにくの茎と葉、
もやし、白菜、セロリ、青大豆、それとにんにく。
これに肉味噌がセットになったものが、すなわち海碗居の炸醤麺だ。

P1060961.jpg

(実際のものとは若干違うようですが・・・)

麺の上にかける肉味噌もまた重要。
海碗居の炸醤麺は「肉丁小碗干炸(rou4ding1xiao3wan3gan1zha2)」と呼ばれる。
賽の目に切った豚肉(肉丁)を「干炸(gan1zha2)」、すなわち油で炒め揚げにし、
甜麺醤(tian2mian4jiang4)や黄醤(huang2jiang4)などで味付けして作る。
特にこだわるのが黄醤で、海碗居では百年の歴史を持つ老舗のものを使っていると言う。
黄醤は大豆と小麦粉で作った調味料で、赤みを帯びた黄色をしているのでこの名がある。

麺の腰も炸醤麺のキモだ。
麺は手打ちでなければならない。
海碗居の麺はすべて店内の手打ち麺職人が、北京の家庭の作り方そのままで作る。
(ということは、つまり一番美味しい炸醤麺は家庭で作るものだってことなんだけどね。)

さて、ここまではお店のメニューの受け売り。
ここから先が実際の食べ歩き記録だ。

P1060970.jpg


トレイの上に並べられて出された炸醤麺セットは、
店員さんが豪快に麺の上にぶっかけるようにして盛ってくれる。
豪快さを愛する北京らしい作法(?)だ。

P1060972.jpg


これに肉味噌をかける。
それが冒頭の写真だ。

かなり油っこいので、私は浮いた油をまず捨ててからかけた。
これはお好みで。

肉味噌をのっけたら、かきまぜる。
これでもか、これでもか・・・と、根気よく混ぜよう。

P1060980.jpg


お店によっては、肉味噌がものすごく塩辛くて閉口することがあるので、
まずは少しかけて混ぜ混ぜして味見をし、
その後調節しながら足すことをオススメする。

海碗居の肉味噌は塩味控えめで、いい塩梅だった。
これなら一気に全部かけても大丈夫。

一口すすると・・・

「うん、確かにこれは美味しい!」
「味噌もしょっぱすぎないし、それでいて香ばしくて深みがあるね。」

さらに特筆すべきは麺だ。
日本のうどんほどのしこしこ麺ではないが、
これまで食べた炸醤麺の麺の中では格段に腰がある。
つるりとした喉ごしもいい。

「海碗」でどっかーんと出てきた時には、
「二人で一碗でよかったねえ・・・」
なんて言っていたのだが、
いざ食べ始めてみると二人ともほぼ完食。
美味しいものは箸が進む。
胃袋は正直だ。

炸醤麺をほぼ完食したのにはもう一つ訳がある。

麺のゆで汁である。

P1060978.jpg


中国では、「原湯化原食(yuan2tang1hua4yuan2shi2)」と言って、
食べものをゆでる時に浸かったお湯(原湯)を飲むと、
その食べもの(原食)の消化(化)を助けると信じられている。

餃子を食べる時に「餃子湯(jiao3zitang1)=餃子のゆで汁」を飲むのも同じ道理だ。
日本のそば湯と同じ考え方だと言えば、日本人にもピンと来るだろう。

「原湯化原食」は知っていたが、
炸醤麺でゆで汁が出てきたのは初めてだ。

消化を助けるかどうかはともかく、
とかく単調になりがちな炸醤麺に変化を生み、
それにちょっとした口湿しにもなって、
ついつい炸醤麺が進んでしまった。

かくして、
海碗居の炸醤麺は現時点で間違いなしの「一番美味しい炸醤麺」の座に輝いた。
一緒に行った友人も、
「あそこの炸醤麺、もう一回食べに行こう。」
ふとした折にこう漏らす。

お店が遠いのが難点だけれど、また近いうちに食べに行きたい。
そう思うだけの価値はある一杯だ。


■お店情報
海碗居(松楡里店)
朝陽区松楡南路36号(華威橋から東へ2㎞。道の南側)
8731-3518


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コメント
この記事へのコメント
こんにちは。西側の郊外、海淀区在住のjiyanです。
東に比べれば確かに田舎ですが、郊外といわれてしまうと少々複雑な気分です…(笑)
冗談はさておき、自分も「炸醤麺を美味しいと思ったことがない」一人でしたが、今日、海碗居に行って、文句なく美味しい炸醤麺に出会うことができました。炸醤麺に偏見をもったままでいるところでした。ayaziさんに感謝です!
2007/11/29(木) 14:38 | URL | jiyan #-[ 編集]
jiyanさんへ
ごっ、ごめんなさい。
自分の生活圏と離れている=郊外になってしまいました。
牡丹園が郊外なら、麦子店も十分郊外ですよねえ。

それはともかく、さっそくお出かけいただき、
しかもお気に召していただいたようで、良かったです!
私も紹介してくれた友人に感謝しなきゃ。
2007/11/29(木) 15:21 | URL | ayazi #-[ 編集]
面湯
はじめまして。炸醤面大好き荒川と申します。実は私、炸醤面の面湯を長年探し続けているのですが、最近やっと「老北京炸醤面大王」で出してもらったという記事をみつけて喜んでいたところです。「海碗居」では黙っていても出てきたのですね。実に貴重な記事ですので、私のBLOGでも紹介させてもらいました。
http://blogs.yahoo.co.jp/jimmy_arakawa/27485267.html
2007/12/14(金) 00:31 | URL | ジミー荒川 #BWgGc7Fk[ 編集]
ジミー荒川さんへ
こんにちは!コメントありがとうございます。
炸醤麺の面湯を探し続けていらっしゃるなんて、なんてディープなはまりぶりでしょう。
「海碗居」では確かに何も言わずとも当然のように出てきました。
私は肉みそと混ぜずに、口湿しにちょっとずつそのまま飲んでました。
荒川さんのblogも拝見させていただきました。
なかなかマニアックな会話が進行していて、興味深く読みました。
海碗居の炸醤麺は本当に美味しいので、北京にいらした折にはぜひどうぞ!
2007/12/14(金) 11:01 | URL | ayazi #-[ 編集]
最近情報が急増中です
炸醤の情報は下記HPで収集していました。
http://www.hamakko.or.jp/~geminizz/sui.htm
もう8年になりますが、BLOGをはじめたここ1年に明らかになったことは、その前7年の比ではありません。来年はオリンピックの影響で北京の食べ物も注目されるでしょうね。でもいくらテレビやネット上の情報が増えても肝心の味は食べてみないとわかりません。海碗居、行ってみたい。
2007/12/16(日) 11:24 | URL | ジミー荒川 #BWgGc7Fk[ 編集]
ジミー荒川さんへ
充実した内容に驚嘆しつつ拝見しました!
炸醤麺とは関係ないですが、巣鴨のホワイト餃子、大学時代に行きました!
私もこの原形は生煎包だと思います・・・
市川駅の近くにあるひさご亭にも似たような餃子がありますよ。
餡がほんのり甘くて、こちらも美味しいです。
北京の麺の味、確かに本場で食べてみるのが一番ですね!
冬は航空券も割合安いし、冬になると美味しいものもあるし、食べ歩きにはいいシーズンですよ。
2007/12/17(月) 01:27 | URL | ayazi #-[ 編集]
冬の北京
きっとそうですよね。中国で生煎を食べて、ホワイト餃子に似ている!と書いてるBLOG記事も見たことがあります。

ホワイト餃子の水餃子はまだ食べたことがありません。皮がどんな食感になっているんだろ?

ひさご亭にも行ってみます!
2008/01/12(土) 12:14 | URL | ジミー荒川 #BWgGc7Fk[ 編集]
ジミー荒川さんへ
ホワイト餃子の水餃子というのがあるんでしょうか。
・・・?想像できませんが。
ホワイト餃子は、「餃子」と名はついていますが、生地にはふくらし粉が入っているでしょうし、形態的には完全に包子だと思います。
だから「ゆでる」という調理方法は存在しないのではないでしょうか。
って、存在したりして。
ちなみに、生煎包は包み終えた包子を蒸さずにそのまま焼きます。
だから「生」がついていると解釈しております。
まあ、途中でお湯(スープ?)を注ぎ入れるので、実際には「蒸し焼き」ですね。

ひさご亭、ぜひいらしてください!私が通っていた頃は、行列のできる程の人気店でした。
2008/01/12(土) 13:25 | URL | ayazi #-[ 編集]
ファイト餃子
巣鴨のホワイト餃子というのは、ここのことじゃありませんか?
http://blogs.yahoo.co.jp/jimmy_arakawa/13452310.html
店の前に水餃子ってあるでしょう?でも残念ながら僕の行った時には焼きしかありませんでした。茹でた画像はみつけました。これです。
http://www.white-gyouza.co.jp/cook/boiled.html
やっぱり一度食べてみないとね。
2008/01/12(土) 19:24 | URL | ジミー荒川 #BWgGc7Fk[ 編集]
ジミー荒川さんへ
巣鴨のホワイト餃子、そうですそうです。
地蔵通り商店街を庚申塚方面へ進んだところだったと記憶しています。
ゆで餃子の写真は、お持ち帰りした餃子を自宅で調理する時の指南?でしょうか。
画像を見る限り、ふくらし粉は入っていないような・・・?
ということは、生煎包とは違うのでしょうか。
うーむ、どうだったかな・・・食べたのははるか遠くのことで、記憶が定かではありません・・・
2008/01/13(日) 04:39 | URL | ayazi #-[ 編集]
僕が食べて来ましょう!
茹でた画像は調理例ですが、店舗で水餃子を出しているところもあるんだそうです(巣鴨でも私が行く直前までは出していたらしい)。

やっぱり気になりますよね。皮がどんな食感になっているんだろう?
2008/01/14(月) 09:47 | URL | ジミー荒川 #BWgGc7Fk[ 編集]
ジミー荒川さんへ
ぜひ食べてきてください!
水餃子の皮は、普通の皮のような気もしますが・・・
いずれにしても、ご報告楽しみにしています!
2008/01/14(月) 11:15 | URL | ayazi #-[ 編集]
初めまして。先日北京で二日続けて炸醤麺を食べてきました。
帰国後こちらのブログを知りました。肉味噌を少しずつ、味を見ながら書ければ良かったのですね。出かける前に見ておけば良かったと思いました:-)
これからそちらの情報を楽しみにしております!
2008/01/31(木) 22:35 | URL | Yongyi #-[ 編集]
Yongyiさんへ
初めまして!コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、こちらの肉みそはかなりしょっぱめなので、味見しながらかけるという自衛策に出ています。
また本場の炸醤麺を食べに、北京にいらしてください!
これからも、少しでもお役に立てる情報をご提供できるように、もりもり食べて、ガンガン書いていきますので、どうぞよろしくお願いしますね。
2008/02/01(金) 01:03 | URL | ayazi #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2014/10/09(木) 15:03 | | #[ 編集]
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