2007年05月

2007年05月
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昔ながらの江南紹興料理
老派江南紹興菜(lao3pai4jiang1nan2shao4xing1cai4)
P1040527.jpg

【データ】とき:5月26日/ところ:東四・孔乙己酒店/ねだん:全部で100元

こじゃれた新感覚ヌーベルシノワ、「新派(xin1pai4)」が人気だけれど、
私は昔ながらの「老派(lao3pai4)」が好き。

同じ孔乙己でも、
一番古くからある東四の孔乙己酒店(老店)がお気に入りだ。

東単から東四へ北上し、
「ないなあ、ないなあ。この辺だったと思ったけどなあ。」と思っていると、
「えへ、ここでしたー」とひょっこり出現する地味な店構え。

P1040528.jpg


店を入ると、魯迅先生の胸像と素朴な調度が迎えてくれる。

P1040526.jpg


温かく親しみやすい店内に、なんとなくほっとする。
かすりのテーブルクロスや店員の服装が、
なんとなく日本を思い起こさせるからかもしれない。

この日は4月に北京に赴任された大学の先輩、Sさんとご一緒した。
以前も北京に駐在されていたSさん、
久しぶりの孔乙己酒店再訪となった。

「やっぱり何を置いてもこれですよね。」
「そうですね。」

おなじみ茴香豆だ。

茴香豆(hui2xiang1dou4):5元
P1040518.jpg


こちらのお店の茴香豆は、
端っこがかけたりロゴがかすれたりした
いかにも年季の入ったお皿に無造作に盛られてくる。

これを頬張りながら燗をつけた紹興酒でも行きたいところだが、
この日はビール。
Sさん、あまりお酒が得意ではないのだ。

前菜はこれで押さえて、もう一つ何か・・・と思ってメニューを繰る。

「えーと、酔っぱらい蝦なんてどうですか?」
「お、いいですねえ。」

決まり。

酔蝦(zui4xia1):18元
酔っぱらい蝦(蝦の紹興酒漬け)
P1040523.jpg


小エビを生きたまま紹興酒ベースのタレに漬けてお陀仏になっていただくという、
鮮度抜群にして残酷きわまりない料理。

ふたをしたガラス容器の中でピチピチと跳ねる蝦たちを見つめながら
「もういっかなー。」
「まだですかねえ。」
などと人間様が箸を構えて待っているのだから、
食べられる蝦にとってはたまったものではなかろう。

とかなんとか言いつつ、美味い美味いと食べるのだが。

前回食べた時は甘ったるさが鼻についたが、
今回はどちらかと言うとピリッと辛みを利かせてあっていい感じ。

さてと他には・・・

「臭豆腐は食べられますか?」
「大丈夫ですよ。」

さすがはC科出身、
台湾、香港、北京と中華圏トライアングル赴任を重ねた強者でいらっしゃる。
そうですよねえ、臭いものほど美味いんですよねえ。

油炸臭豆腐(you2zha2chou4dou4fu):16元
しゅう豆腐の揚げもの
P1040520.jpg


この日の臭豆腐はなかなかの香り具合で、よろしゅうございました。

「さて、もう一品くらい行きましょうか。」
「お肉系ですよねえ。」
「梅菜扣肉なんてどうですか?」
「いいですね!」

干菜[火悶]肉(gan1cai4men4rou4):25元
葉物野菜の干し漬けと皮つき豚バラ肉の煮込み
P1040519.jpg


このお店では干菜[火悶]肉という名前だったけど、要は梅菜扣肉。
梅菜(からしなみたいな菜っ葉の漬け物)と豚角の煮物だ。

扣(kou4)というのは、お碗に並べていくことだそうで、
これをぱかっとひっくり返して盛りつけるので、
写真のようにドームのような形状になる。

「でもこれって、江南浙江というよりは客家料理ですかね。」
「あ、そうですよねえ。」

なんてことを言いながらも、要は美味しければどこの料理かは二の次だったりするのね。

脂身たっぷりの豚バラ肉、こってりはしているのだけれど、
しょっぱ辛い梅菜と一緒だと不思議とするっと食べられちゃうのだ。

あまりお酒の得意でないSさんと
ちびりちびりとビールを嘗めながら
茴香豆を一口、小エビを一口と食べつつ、
話題は北京、紹興、香港、台湾、バンコク、日本・・・と、
各地を巡った。

「そろそろ何かご飯物でも頼みましょうか?」
「そうですね・・・」
「あ、紹興風焼きそばっていうのがありますよ。これにしましょうか?」
「はいはい、そうしましょう。」

なんか結局全部私がオーダーしちゃったな。

紹興風味炒面(shao4xing1feng1wei4chao3mian4):12元
紹興風焼きそば
P1040525.jpg


黄ニラともやし入り焼きそば。
オイスターソースを使っているような?

中国(広東のほうは違うかもしれないが)で焼きそばっていうと、
このちょっと太めのどっしりした麺を使っていることが多い。

ちなみにセブンイレブンの鶏肉焼きそばで使われているのもこの麺だ。

この焼きそば、ちょっと味が単調で脂っこかったので、私は黒酢をちょろり。
こうすると一気にさっぱり度がアップして食べやすくなる。

ちなみにセブンイレブンの鶏肉焼きそばには、
ビニール袋に入った黒酢がついてくる。

これがこの日の全オーダー。
二人でつまむにはこの量で十分。
それどころか焼きそばは食べきれずにお持ち帰りした。

これで100元ぽっきり(ビール、お茶代含む)だ。

私はやっぱり、断然「老派」派!


【おまけ】

今回は夜であんまり写真がきれいじゃないので、
お店の良さが伝わりきれていないかも。
「おなかヘンテコリン」時代の孔乙己酒店の記事は、
昼間の撮影だったので割といい感じに撮れてます。
よろしければこちらも見てくださいね。

 ・孔乙己酒店(涼菜)
 ・孔乙己酒店(熱菜)


■お店情報
孔乙己酒店(老店)
東城区東四北大街322号(六条西口南20メートル)
6404-0507/6401-3855
*他にも、本店(後海)、亜運村支店、航天橋支店、復興門支店、天壇支店があるようです。


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新感覚江南紹興料理
新派江南紹興菜(xin1pai4jiang1nan2shao4xing1cai4)
P1030470_1.jpg

【データ】とき:3月24日/ところ:朝陽公園西門・孔乙己尚宴/ねだん:おごりだったので不明(二人で200元ちょっと?)

日本料理っぽい味付けが恋しくなると足を運ぶ孔乙己酒店。
私は東四にある老店が断然お気に入りだけど、
実は孔乙己は市内にかなり支店を持っている。

朝陽公園西門に新しく開店した孔乙己尚宴は、
孔乙己が富裕層とビジネスユースを見越して打ち出した高級路線のお店。
店内の内装もシック&ゴージャスで落ち着いた雰囲気だし、
さすがに開店したばかりで清潔感が漂う。

このお店、基本的にはもともとの孔乙己のメニューを踏襲してはいるものの、
実は売りはそれ以外の新派江南紹興菜。
しかもちょっとフレンチ風のおしゃれな中華
つまりは新感覚中華、ヌーベルシノワ系のお店なのだ。

現代的な建築と骨董(風)家具に囲まれて、
おしゃれな雰囲気の中で味わう江南の味覚。
こじゃれたお皿に気取って盛りつけられた中華料理の数々。

うーむ。
ローカル“道ばた”系中華料理愛好者としては、
どうもおしりの座りが悪いのう。

孔乙己と言えばおなじみの茴香豆も、ほれこの通り。
(孔乙己?茴香豆?という方は、まずはこちらで魯迅の原作をどうぞ。)

P1030465_1.jpg


科挙に落ち続けて人んちの本を盗んで売ったりする落ちぶれ読書人の孔乙己が
これしか買えなくていつも食べていた茴香豆も、
ずいぶんとまあ高級そうな盛りつけになったものだ。

さて、茴香豆を押さえた後は、
ちょっとこの店オリジナルメニューにもチャレンジしてみよう。

なずなと筍の和えもの
P1030464_1.jpg


春先だったので、なずなが美味しそうに思えて選んだメニュー。
春らしくさっぱりとした味付けで好感の持てる一品だ。
タレ(ソースと言いたくない!)でお絵かきしてあるあたりがヌーベル・シノワか?

ダックのロースト
P1030467_1.jpg


ちょっと甘めのタレで仕上げたローストダック。
ダックにしては油っこくなくてあっさりめの味付けだ。
でもその飾りのかすみ草はいただけないぞ。

なずなと白身魚の炒めもの
P1030468_1.jpg


お魚はスズキだったと思う。
淡泊な白身魚となずなのかすかな苦みがよく合っている。
これも春っぽい雰囲気で、上品に仕上げてある一品だ。


干し魚と白菜の炒めもの
P1030469_1.jpg


塩漬けにして干した魚からほどよい塩分が料理に染みわたり、
白菜の甘みが引き立っている。
やさしい味だ。

この日は昼間にかなり食べ過ぎていたので、
野菜や魚を中心に割とあっさり系のメニューを選んだためか、
お腹にやさしい食卓になった。

中華と言えば油ギトギトというイメージがあるかもしれないが、
お店とメニューの選び方で意外とヘルシーな食事になるいい例だったかも。

ところで、今、北京ではこの「新派」(新感覚中華)が台頭中。
「新派川菜」(新感覚四川料理)、「新派上海菜」・・・
果ては「新派家常菜(新感覚家庭料理)」やら
さらには「新派農家菜(新感覚農家料理)」まで!

「新派」のお店は、しつらえもおしゃれだし雰囲気もいい。
店内もトイレ(これ中国では大事!)も清潔だし、
店員のサービスもおしなべていい。
きれいなお皿に西洋料理風に気取って盛りつけられた料理は
なるほど見栄えがして美しい。

でも、料理を食べ終わって伝票を見てみれば
そこにはいつもの値段よりもかなり高めの料金と、
お店によってはちゃっかり15%のサービス料がのっかっていたりする。

どちらを好むかは個人個人の好みだけれど、
私自身は一人20~30元もあれば大満足できる普通の中華料理屋を選ぶなあ。
「新派」(新感覚)はなんか気取っていて落ち着かないのだ。

まあでも、ここは孔乙己チェーン店のうち唯一CBDエリア(なのか?)にあるお店だし、
清潔度的には安心できるので、
ビジネスの会食向けとしては知っていて損のないお店だとは言える。

(次回は老派のほうの孔乙己酒店をご紹介します。私は断然こっち派!)


■お店情報
孔乙己尚宴
朝陽区朝陽公園路八号公館内
6508-2228


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精進料理レストラン
素食餐廳(su4shi2can1ting1)
【データ】とき:3月24日/ところ:長虹橋・浄心蓮/ねだん:おごりだったので不明

(「素食餐廳之一」からの続きです。)

【エントリーNo.3】
P1030412_1.jpg


水煮魚だ。

本当ならお魚のスライスが入っているところだが、ここではお豆腐加工品。
これは・・・そっくり度的には今ひとつか。

P1030416_1.jpg


ちなみに下にある食パンは食べない。
油を吸い取るためだけ、だそうだ。

この豆腐魚スライスの下には、もやしがどっさり入っている。
実は、このもやしが殊の外美味しかった。

なぜって、精進料理の「○○もどき」、
確かにお肉やお魚は使っていないけれど、
どれもこれも揚げ物で実のところお腹にかなりこたえる。
なんとか似せようという気持ちと努力は認めるが、
正直言って食傷気味になってきた。

そんな「○○もどき」攻撃の中にあって、もやしは正真正銘もやし。
本物なのだもの。

【エントリーNo.4】
P1030418_1.jpg


これはかなり激似ではないか?
真打ち(?)登場!北京ダックである。

P1030419_1.jpg


カリンカリンに焦がした表面が、パリパリのダックの皮に酷似。

P1030420_1.jpg


こうして包んで食べると、気分はもうほとんど本物の北京ダックだ。

しかし、ここでも一番箸が進んだのは何を隠そう胡瓜。
だって胡瓜は本物なんだもの。

それにここまで揚げ物が続くとさすがにゲンナリだ。
胃にどっしりともたれる揚げ物よりは、
ただの生野菜のほうが美味しく感じられてくる。

揚げものだし、豆製品自体それほどローカロリーという訳ではないし、
素食は決してヘルシーフードではないなあ
というのが正直な感想だ。

大豆蛋白やら植物繊維やらを素揚げしたり、
海苔で巻いて揚げたりなんだりして、
なんとかかんとかお肉やお魚に似せた「○○もどき」料理。
この「○○もどき」たち、確かにオリジナルにそっくりで、
かなりいい線行っている。

けれど、こんなにまでして似せようとする努力に、私はかえって鼻白んでしまった。

そこまでして肉、食べたいですか?
修行しても、その煩悩からは解放されませんか?

「解脱するって、大変なのね。」
思わずテーブルの向こうのS氏に、つぶやいてしまった私だった。

【エントリーNo.4】
P1030425_1.jpg


あっと、これは本物。
正真正銘の苺だ。

苺数個にこの大仰な演出。
場は盛り上がるけど、正直言って私はあんまり好きじゃない。

なんだか、金に任せてキンキラキンに飾り立て
むやみやたらに寄付や布施を募るような
堕落した観光寺院を連想してしまった。

このレストラン、
ベジタリアン的な健康志向の食生活を求める向きには、
自信を持ってお薦めはできない。

それよりはむしろ、北京の食生活にちょっと変化をつけるアトラクション。
そんな位置づけとして利用するのであれば、まあ面白いかもしれない。


■お店情報
浄心蓮PURE LOTUS
東三環長虹橋東北角(中国文聯大院内)
010-6592-3627

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精進料理レストラン
素食餐廳(su4shi2can1ting1)
【データ】とき:3月24日/ところ:長虹橋・浄心蓮/ねだん:おごりだったので不明

北京にも、「素食」(su4shi2=精進料理)のレストランがいくつかある。
長虹橋の近くにある「浄心蓮」もその一つ。

広西出身で仏教徒だというオーナーの方針のもと、
肉や魚、葱など香りのきつい香味野菜を一切使わないお料理と
仏教をモチーフにしたインテリアが人気のお店だ。

少しお昼時を過ぎた時間帯だったにも関わらず、お店は満員。
少し待たされて、ようやく席に案内された。

宗教ムード漂うオリエンタルな店内。
テーブルにはランチョンマットがわりのヤツデの葉に貝のお皿。
なかなか凝ったしつらえのお店だ。

P1030402_1.jpg


美しく装丁されたメニューを広げてみると、
なにやら小難しいメニュー名が並んでいる。

さて、いったい何をどう頼んだものか・・・

途方に暮れている私の正面で、S氏がさっさと店員を呼び注文を始めた。
一度連れてきてもらったことのあるS氏は、
まずはその時の料理を私に食べさせたいらしい。

いいや、どうせ分かんないし、お任せしよっと。

さて、何が出てくるのかお楽しみだ。

まずは前菜がわりのこの品。
野菜の海苔ロール
P1030405_1.jpg


そう、要は野菜を海苔で巻いたものなのだが、このもったいぶった演出!
かすかな嫌悪感。
苺が入っているのも、微妙。
さらに海苔が味付け海苔なのがいただけない。
ちなみにピョーンと伸びている葉っぱは食べない。

さて、ここからがこのレストランの真骨頂。
「○○もどき料理」のオンパレードだ。

【エントリーNo.1】
P1030410_1.jpg


ソーセージである。
初っぱなから、かなり激似だ。

P1030415_1.jpg


断面もこの通り。
白い脂身まで入っていて、かなりリアルだ。

おそらく大豆蛋白を加工して揚げてあるのだろう。
皮の部分はカリカリと香ばしい。
味も食感もかなりいい線までいっている。
ソーセージだと強く言われれば
「あー、えー、そうかも?」
と思わずコクンと頷いてしまいそうだ。

【エントリーNo.2】
P1030409_1.jpg


「金剛鯊」という名前がついていたムキサメのフライもどき。
これも大豆蛋白?
ソーセージよりはかなり濃いめの味付けだ。

かじると断面に縦方向の繊維が走っていて、
うまく魚の身の質感に似せてある。

「ふーん、確かに似てるね。」
「だろう?」

「もどき」ぶりも、ここまでくればあっぱれだ。
さて、お次はどんな「○○もどき」が登場するのだろう。

(「【浄心蓮PURE LOTUS】素食餐廳之二」に続きます。)

■お店情報
浄心蓮PURE LOTUS
東三環長虹橋東北角(中国文聯大院内)
010-6592-3627


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三番目のおじさんの海鮮料理
三舅海鮮(san1jiu4hai3xian1)
P1040231.jpg

【データ】とき:5月6日/ところ:天津・海河沿いのとあるアトリエ/ねだん:おごりだったので不明

(「三舅海鮮~朝餉の巻」の続きです。)

朝ご飯を食べた私たちは、版画家氏の車で一路天津へ。
三舅の大のお気に入り、三哥ことL氏のアトリエに向かうのだ。

前日の海鮮宴の席上で、
「どうせなら明日は天津まで海鮮を出前ってのはどう?
 三哥の新しいアトリエ、三舅は行ったことないでしょう?」
S氏がこう言ったのをきっかけに急遽決まった天津への海鮮出前。

三哥大好きの三舅に異論のあるはずもない。

出発してしばらくたつと、
運転手の版画家氏が飛ばしに飛ばすコンパクトカーの助手席で
三舅がこっくりこっくりと船をこぎ出した。

「三舅、寝ちゃったね。」
「そりゃそうだよ。三舅は今朝早起きして港まで行ってきたんだってさ。」
「ええっ?」
「だって、昨日は蝦の水揚げがなくて買えなかっただろう?
 だから今朝また行ってきたんだって。」

なんと、可愛い甥っ子のために睡眠時間を削って港に買い出しに行ってきたというのだ。
そんなに大好きなのね、三哥のこと・・・

さて、そんな一行を乗せた車は、一時間後には天津市内に到着。

目的地のアトリエは、利順徳飯店(アスターホテル)にほど近い海河沿いの倉庫にあった。

広々としたコンクリート打ちっ放しの空間。
アトリエの隅に置かれた藤家具や中国家具、
買い集められた骨董の仏像や彫刻、
そしてアンティークのカメラ。
水槽の水音と古箏の奏でる旋律が静かに空気を振るわせている。

私たちが入っていくと、
アトリエの隅で年代物のプーアール茶を楽しんでいた三哥たちが
やあやあと明るい声をあげた。

しばらくプーアール茶を飲みながら歓談。
そうこうするうちに、部屋の一角にテーブルがしつらえられ、
三舅が出前してきた海鮮料理が並べられる。

アトリエ海鮮宴の開幕である。

この日集まったのは、
三哥、三哥と一緒にこのアトリエを借りているM氏、
その友だちの芸術家、そのまた友だちの何してるか分からない人・・・
そして三舅、版画家氏、S氏、そしておまけの私。

まずは全員揃ったところで、乾杯だ。

P1040237.jpg


S氏撮影になる乾杯、その瞬間。

「ぶれた!もう一回!」

P1040238.jpg


はい成功。
ぶれた写真もまた臨場感があってよかったけどね。

この日のお酒は貴州茅台酒。
例によって、身体を冷やす海鮮にはビールではなく白酒だ。

「見てくれよこの蝦!三舅が朝港まで行って三哥のために買ってきたんだ!」

S氏が解説する横で、三舅が何も言わずににこにこしていた。

P1040230.jpg


この蝦のでっかいこと!
ぶっりぶりなこと!

P1040236.jpg


「あたし、蝦は普段食べないのよね。でもさすがにこれは食べておかないと!」
同席した女性が声高に言う。

「日本だったら、この蝦一匹で花かなんかあしらって、立派に一品料理だよなあ?
 そいで何十元も取るんだ!なあ、ayazi!」
「う、うん。」
「日本料理の店にも時々行くけど、ちまちましてていかんな。
 やっぱり海鮮はこう、豪快にいかないとな!気分出ないからな!」

三舅の心づくしの海鮮に三哥もご満悦。
大皿にドッカーンと豪華に盛りつけられた海鮮の数々は、確かに豪快だ。

このいくら食べてもなくならないくらいたっぷりたんまりある感じが、
中国人は大好きだ。

テーブルを囲む人数は多く、にぎやかなのがいい。
料理もテーブルにいっぱいに所狭しとならべて、
「足りるかな・・・?」なんてみじんも感じさせなくらいがいい。
食べ終わった皿があってもすぐ下げたりなんかしない。
テーブルのにぎやか度が下がるから。
食べこぼしもいっぱいあったほうがいい。
ガツガツ食べて汚らしくなるくらい夢中になって食べるほどおいしいってことだから。

うん。分かる。分かるんだよ、その感覚。

これだけ豪快に用意されてると、
蟹のみそを少しくらい残したって、
足の肉を食べ残したからって、
蝦の身がうまく取れなかったからって、
全く気にならないもんね。
だって、まだ山ほどあるんだもん。

「多いことはいいことだ、豪快なことはいいことだ」な
北方中国に暮らしていると、
知らず知らずのうちに自分もそういうのを好ましく思うようになる。

その一方で、日本人の心性がささやく。

日本料理の繊細な盛りつけはすばらしい。
一つの皿の中に季節感やわびやさびが見事に表現された料理を
じっくりと鑑賞し堪能しながらいただく。
料理人の匠の技や遊び心を存分に感じ、かみしめる。
さらに素材の新鮮さが桁違いだ。

中華で海鮮と言えば、結局ゆで蝦と蒸し蟹と炒めものくらいじゃないか。
ダイナミックではあるけれど、大味で繊細な味わいに欠ける。

とは言え、どっちも捨てがたいのだ。
中国の海鮮にも日本の海鮮にもおおいに惹かれる。

・・・と、こんなことはもぐもぐと蝦と一緒に飲み込んだ。
三哥の楽しい気分に水を差したくなかったし、
それに実際に日本に行って本場の和食を食べたことがないと、
実感として分からないだろうから。

三哥は売れっ子の中国画家なので、
近いうちに日本でも個展があるだろう。
その時にじっくり味わってきて、その後ゆっくり話してみたい。

さて、海鮮は続く。
おなじみシャコ。

P1040232.jpg


てんこ盛り。

さらにカニ。

P1040245.jpg


このカニが前日のにも増してふっくら。
朝ご飯でお腹いっぱいなので、形式的にちょぴっと食べて・・・
なんていう算段はもろくも崩れ去った。

本日のメインキャストたち。

P1040240.jpg


取り皿も何もない、ガラスのテーブルに直置きの豪快な食卓。
「えーっ?衛生的じゃなーい」
なんてかたいことは言いっこなしだ。
これはこれでいいのだ。

「ねえねえ、この煎餅、食べてみて!」

同席の女性が布地のようなものを出してきた。

「長春の煎餅よ。長春から担いで帰ってきたのよ。」
メーデーの休暇に長春まで遊びに行ってきたのだという。
煎餅(jian1bing3)はもちろんお煎餅ではなくて、中華風クレープみたいなもの。

P1040246.jpg


北京でよく見かけるのは丸いタイプだけど、長春のはものすごく大きい。
ほとんど布のようだ。

P1040234.jpg


ポサポサして紙みたいな食感。
いやでも、まずくない。
紙みたいなのにまずくないってどんなだ?

ちぎっては食べ、ちぎっては食べして、いつの間にやら結構食べてしまった。

三舅が漢沽から出前した海鮮もいつの間にやらあらかた食べ尽くされ、
アトリエ海鮮宴はその幕を閉じた。

あまりの満腹に、天津から北京へと戻るバスの中でひたすら眠り続けた私だった。

(「三舅海鮮」はこれで終わりです。)

【天津漢沽・致美餐廳】三舅海鮮
 ・三舅海鮮~出漁の巻
 ・三舅海鮮~開宴の巻
 ・三舅海鮮~続“宴”の巻
 ・三舅海鮮~朝餉の巻
 ・三舅海鮮~出前の巻


■お店情報
致美餐廳
天津市漢沽区東風路
022-6711-4072

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三番目のおじさんの海鮮料理
三舅海鮮(san1jiu4hai3xian1)
P1040214.jpg

【データ】とき:5月6日/ところ:天津漢沽・致美餐廳/ねだん:おごりだったので不明

(「三舅海鮮~続“宴”の巻」の続きです。)

翌朝。

8時すぎに三舅から電話があった。
「朝ご飯も準備してあるから、早く食べにおいで!」

急いで身支度を整えて致美餐廳に向かうと、
三舅のオフィスに丸テーブルがしつらえてあった。

椅子の背もたれにはいくつかのビニール袋がかけてある。
早起きの三舅が朝市で買ってきた朝ご飯だ。

テーブルには見る見るうちにお碗やお皿が並び、
ビニール袋に入っていた朝ご飯たちが盛りつけられた。

P1040212.jpg


豆漿(dou4jiang1=豆乳)、豆腐脳(dou4funao3)、そして[食果]子(guo3zi)。

漢沽でも天津と同じように、[食果]子を烙餅(lao3bing3)でくるりと巻く。

P1040213.jpg


どっちも主食なのにね。
和食で言うと、お餅をご飯で包む感じ?

ふわふわ、ふかふかした食感の[食果]子と
しっとり、しっかりした食感の烙餅。

一度に違う食感を楽しめる、なんともお得な組み合わせだ。
ただ単に、これだとあんまり手がべたべたにならないですむからという話もあるが。

この他にも、前日の夕食で食べた[食孛][食孛](bo1bo=トウモロコシパン)とお粥も出た。

「三舅、昼ご飯を食べさせないつもりだな?」
S氏が恨めしそうに三舅を責めた。
三舅はにこにこ笑っている。

もきゅもきゅと朝ご飯を頬ばっていると、突然三舅が私に聞いてきた。
「ayaziは、朗誦は好きか?」

朗誦(lang3song4)というのは、朗唱のこと。
言ってみれば詩や文章の朗読なのだが、
中国の人たちの朗読はこれがまた感情がこもっていて抑揚たっぷり。

オーバーな感情表現の苦手な日本人にとっては、
濃すぎてげっぷが出るというか、
おしりがもぞもぞしてこっぱずかしいというか。

以前、中央戯劇学院という俳優養成学校の中国語コースにいた私は、
「発音」の授業でこれをやらされたことがあるが、
とてもじゃないけど恥ずかしくてできなかった。
「もっと感情をこめて!」
と先生に口を酸っぱくして言われたけど、どうしてもだめ。

ほんとは苦手なんだけど・・・
朗読してくれって言われるのかなあ・・・
でも、にこにこ顔の三舅に向かって「嫌い」なんて言えないよー。

「え?嫌いじゃないけど、自分ではしたことない。」

微妙に伏線を張った私の答えを聞くや、三舅は言った。

「そうか。じゃあ、ちょっと朗読してもいいかな。」

あ、自分でしたかったのね、三舅。

そして三舅は、壁に掛けられた詩を高らかに朗唱し始めたのであった。

P1040216.jpg


三舅の朗唱は、なんとも豪気だった。
力強く、明るい活力に充ち満ちていて、
楽観的で前向きな人生観がにじみ出てくるようで、
聞いている私たちまで朗らかな心持ちになる。

俳優たちがやるような、じめじめした媚びたような朗唱は嫌いだけど、
こんな豪放磊落なのなら、聞いてもいいなあ。

三舅、朝ご飯に朗読、どっちもおいしくいただきましたよ。
ごちそうさま!

(「三舅海鮮~出前の巻」に続きます。)

■お店情報
致美餐廳
天津市漢沽区東風路
022-6711-4072

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三番目のおじさんの海鮮料理
三舅海鮮(san1jiu4hai3xian1)
【データ】とき:5月5日/ところ:天津漢沽・致美餐廳/ねだん:おごりだったので不明

(「三舅海鮮~開宴の巻」の続きです。)

まだまだ続く三舅海鮮料理攻撃。

「これがうちの店の看板なんだよ。」
そう言って出されたのがこれ。

P1040205.jpg


貝のむき身と小型のお魚をお醤油味でじっくりと炊いてある。
いわば中国版の佃煮。
日本の佃煮ほど甘くなくて、あっさり。

味のよくしみた貝は酒のアテに最高。

「よく煮てあるから骨まで全部食べられるよ。」
そう言われてすすめられた魚は、確かによく煮込まれていて小骨もまったく気にならない。

でも、ちとしょっぱい・・・

そう思っていたら、こんなのが出てきた。

P1040208.jpg


「これはね、[食孛][食孛](bo1bo)と言ってね、これとこの魚を一緒に食べるといいんだよ。」

確かに、一緒に食べると塩辛さがやわらぐ。
早く言って・・・

[食孛][食孛]というのは、
トウモロコシの粉で作った生地を平たくのばして、焼いたもの。
油で焼いてあるらしく、ちょっと脂っこい。
焦げ目がつくくらいしっかり焼いてあって、コリコリとした歯ごたえがある。

これには、雑穀粥がついてくる。

P1040209.jpg


トウモロコシパンと魚とおかゆの黄金組合。

P1040210.jpg


和食のご飯、みそ汁、漬け物?

い?またなんか来た!?

P1040206.jpg


大皿いっぱいの餃子。
いやもうお腹いっぱいだって!

「貝とキャベツの蒸し餃子だよ。舅[女馬]の手作りだよ。」
舅[女馬](jiu4ma1)は三舅のお母さん、
おっと、じゃなくて奥さんのこと。
三舅の奥様が自ら腕をふるった餃子だと言う。

これは食べずにいられよか。

P1040207.jpg


この餃子がまた美味かったのだから罪作りだ。
お腹はてんてん。
なのに食べずにいられない。

ああもう、海鮮天国転じて海鮮地獄だ~!

(「三舅海鮮~朝餉の巻」に続きます。)

■お店情報
致美餐廳
天津市漢沽区東風路
022-6711-4072

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三番目のおじさんの海鮮料理
三舅海鮮(san1jiu4hai3xian1)
P1040193.jpg

【データ】とき:5月5日/ところ:天津漢沽・致美餐廳/ねだん:おごりだったので不明

(「三舅海鮮~出漁の巻」の続きです。)

致美餐廳に戻ると、レストランのエントランスには人があふれていた。
一階のホールを貸し切っての結婚パーティに集まった人たちだという。
小さな町のこと、集まる人たちもお店の人たちもみんな顔見知りだ。
店に入っていく三舅に、次々に声がかかる。

二階にしつらえられた個室で、いよいよ海鮮尽くしの宴が始まる。

まずは白酒で乾杯。
身体を冷やす海鮮にビールは禁物。
海鮮には白酒かワインが定番だ。

この日食卓を囲んだのは、三舅、S氏、漢沽の版画家L氏、そして私の4人。

なのにいきなりこのてんこ盛りの蟹!

P1040191.jpg


「三舅!いったい何人分作ったの?」
思わずS氏が声を上げる。

このワタリガニがまた美味いのなんのって!
やわらかいのよ。
身がふっくらしてるのよ。
卵もみそもたっぷりなのよ。

さらにこのてんこ盛りのシャコ!
P1040192.jpg


さらにこのてんこ盛りの貝!
P1040197.jpg


「三舅、こりゃいくらなんでも多すぎだよ!」
S氏も少々あきれ顔。

ところが、三舅の海鮮はこんなものでは終わらなかった。

P1040194.jpg


このイカがまたやわらかくて旨味たっぷりのなんのって!
ニラとイカの炒めものは何度も食べてるけど、ここのがダントツ1位。
箸が止まらない。

とかなんとか言ってたら、また来た!
P1040195.jpg


タコっすよ。
丸のままなんて、久しぶりに拝んだ。
ショウガを聞かせた薄めのお醤油味であっさり煮込んである。

「頭を丸ごと行け!」
言われるがまま、頭(というか胴体)を一気食い。
口の中に広がるタコの旨味と、クニュクニュした懐かしい食感。

クチュクチュしてたら、また来た!

P1040199.jpg


「アイヤー、三舅、食べきれないよ!」
「多すぎだよ!」

しかし、一口スープを口に含んだ私たちは、コロリと態度を豹変。

「これは美味いな。」
「うん!深みがあっておいしい!」

口々にスープをほめる客人たちに、ホスト三舅も満足気だ。

「これはナマズみたいな海水魚で、それを秋口に干したものなんだよ。
 いい出汁が出てるだろう?」

P1040200.jpg


おっしゃる通り、とろりとコクのある味わい深いスープだった。
細切り大根とのコンビネーションも絶妙だ。

夢中になってスープを口に運んでいたら、なんとまた来た!

P1040201.jpg

↑ぶれた・・・無念。

サザエの和えもの。白髪ネギと胡瓜がさわやか。
コリコリとした貝のうま味と中華ダレがマッチ。
貝好きにはたまらない。

蟹、シャコ、貝、イカ、タコ・・・いくら食べても皿は空かない。
これは一種の海鮮責めだ。

白酒に顔を赤くした三舅の、ガキ大将時代の武勇伝、
大好きな甥っ子、三哥との思い出話、
尽きない料理と同じように、酒席の話題もまた尽きることを知らない。

いや、料理もまだ尽きないんだこれが。

(「三舅海鮮~続“宴”の巻」に続きます。)

■お店情報
致美餐廳
天津市漢沽区東風路
022-6711-4072

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三番目のおじさんの海鮮料理
三舅海鮮(san1jiu4hai3xian1)
【データ】とき:5月5日/ところ:天津漢沽・致美餐廳/ねだん:おごりだったので不明

先日の誕生会主役L氏には、とても仲のいいおじさんがいる。
通称、三舅(san1jiu4)。

三は兄弟の三番目、舅は舅舅(jiu4jiu)、つまり母方のおじさんのことだから、
三舅は、L氏のお母様の兄弟の中でも三番目のおじさんということになる。

ちなみに、L氏も兄弟の三番目にあたるので、
近しい人はL氏のことを三哥(san1ge1)と呼ぶ。

三舅と三哥はおじと甥の関係ではあるものの、年が6つしか離れていない。
そのせいか、小さいころからそれはそれは仲がよかったと言う。

孩子王(hai2ziwang2=ガキ大将)だった三舅が、
まるで実の兄のように三哥を守っていたという側面もあった。
三舅にとって三哥は、可愛い可愛い弟(分)だったのだ。

三舅は、天津から車で一時間ほどの小さな街、
漢沽でレストランを経営している。

そのレストラン「致美餐廳」に、五一労働節の連休を利用して行ってきた。

*****

北京から天津へは列車で80分。
天津から漢沽へは長距離バスで90分。

天津駅前を出発したバスが空港近くの開発区を抜ける頃には、
車窓にのどかな田園風景が広がり始めた。

両岸に水草の生い茂る小川、白鷺の群れる池・・・
北京ではほとんど目にすることのない水のある風景だ。

日差しが少し橙色を帯びてきた頃、バスは漢沽に着いた。
静かでのんびりした小さな田舎町だ。

バスを降りてゆるゆると大通りを10分ほど歩き、お目当ての致美餐廳に到着。

P1040100.jpg


致美餐廳は、漢沽の町では一二を争う老舗中の老舗レストランだという。

さて、さっそく海鮮尽くしだーッ!
と思いきや、せっかく海辺に来たからと、
三舅が車を手配して海辺まで連れて行ってくれることになった。

小さな埠頭に行ってみると、無数の中国国旗が海風にはためいていた。

P1040176.jpg


漁を終えて帰航した漁船の群れだ。

国旗を掲げているのは、祝日連休中だから。
普段はないそうだ。

久しぶりにかぐ潮の香り。
久しぶりに見る水平線。
ややドブ臭い(!)のは、心の中でなかったことにして・・・。

余談だが、この「なかったことにする」、「見なかったことにする」というのは、
中国で暮らしていけるかを左右する重要なポイント。
これができない人は、この国では生きていけない。
と、思う。

漁船が埠頭に接岸した。

P1040103.jpg



言っちゃ悪いがオンボロだ。
福建省あたりから、こんなんで日本まで密航する人たちもいるんだろうね。

「渤海遊覧はどうですか?200元でいいですよ!」
船長がおもむろに声をかけてきた。

「海に出られるってさ!」
三舅の目が輝く。

同行のS氏が私に聞いてきた。
「ayaziは船酔いするか?
 海鮮が台無しになっちゃうかもしれないけど、どうする?」

外海に出たら確実に船酔いすると思うけど、ちょっと遊覧するくらいならきっと平気。
それに船酔いは下船したらとたんに良くなるものなのよ。
行くに決まってるじゃないの!

「乗る。」

こうして一行はおんぼろ漁船で渤海の海原へと出ていったのだった。

急ごしらえの乗客用シート(お布団敷いてある!)に腰掛け、海風を受けて進む。

P1040119.jpg

↑右が三舅です。

男性陣は遠くに見える航空母艦におおはしゃぎ!

P1040167.jpg


私も船長のまねごとをさせてもらっておおはしゃぎ!

P1040141.jpg


いいのか?
ちなみにエンジンはかけたまま。

沈む夕日に照らされて、赤くほほを染めながら波に揺られてドンブラコ。
小一時間の渤海クルーズ、なんだか日本を思い出しちゃったなあ・・・。

海辺で海鮮を食べには行ったけど、まさか海に出られるとは思わなかった。

「我還是第一次下海了!」
後で聞いたら、漢沽生まれで漢沽育ちの三舅も、
こうして船で海に出たのは初めてだったのだそうだ。

*最近、渤海湾(唐山市近く)で大油田が発見されたそうだけど、
 このあたり、近かったのかな。
 油田ができると、近海の漁業にも影響が出たりするのかな。
 なんだかちょっと複雑な気分。

*****

はあ。前置きばかりが長くなるこのブログ。
漁船クルーズでほどよくお腹も空いたところで、
いよいよ海鮮尽くしの食卓の幕が開く!

(「三舅海鮮~開宴の巻」に続きます。)

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致美餐廳
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水餃子
水餃(shui3jiao3)
P1040081.jpg

【データ】とき:5月4日/ところ:麦子店・宝源餃子屋/ねだん:全部で30元くらい?

老同学と一日郊外観光にでかけた日、
日盛りの中を歩き倒して疲れ切り、いったん部屋で休んでから再び待ち合わせた。

「何食べたい?」
「うーん、何がいいかなあ・・・」
「近くにまあまあおいしい炸醤麺のお店と水餃子のお店があるけど、どうする?」
そう言うと、即座に答えが返ってきた。
「水餃子!」

上海に駐在しているとはいえ、
ふだんは営業メシ中心でなかなかベタな餃子屋に行く機会がないらしい。

案内したのは、ウチの近所にある宝源餃子屋。
最近餃子と言えばココ専門になってしまった。

大使館街に近いためか、はたまた英字フリーペーパーにでも載ったのか、
なぜか外国人客の姿も多い人気店だ。

さて、本日は何あんの餃子にしようかな。

「やっぱりオーソドックスにこれ食べていい?」
まずは私のリクエスト。

豚肉×白菜(2両)
P1040082.jpg


餃子と言えばこれ!という大定番の組み合わせ。

ここのは白菜がシャキシャキしているのに、
豚肉のあんにはしっかり火が通っていて美味。

そしてこれは老同学のリクエスト。

P1040085.jpg


赤と緑のクリスマスカラー餃子。

さて、中身は何?

緑のは、
P1040083.jpg

茴香×蝦皮(2両)。

茴香はフェンネルだけど、株の部分ではなくて葉っぱを食べる。

香菜と並ぶ、二大香味野菜。
「ありゃ野菜じゃない、草だ!」
と言う人もいるほどクセがあるが、慣れるとそれこそクセになる。
ずっと食べないでいると、時折無性に食べたくなる野菜だ。

北京の人は茴香が大好きで、餃子に限らず包子、餡餅にもよく入れる。

そして赤は、
P1040084.jpg

トマト×卵(2両)。

餃子にトマトおぉぉ?
はい、これこっちでは結構普通。

初めて食べた時にはそりゃあ目から鱗が落ちるくらい驚いたものけど、
食べてみたらば、
甘酸っぱいトマトとむちむちぷりぷりした皮が意外にマッチしていて
妙に納得してしまった。

餃子はつるつるっとのどごしがいいので、
食欲ないなーと思っていても食べられる。

この日ももちろん例外ではない。
山盛りの餃子が、
見る見るうちに二人の胃袋に吸い込まれていったのであった。

【おまけ】

ayazi的餃子の頼み方指南
(前ブログ『北京でおなかヘンテコリン』から抜粋)



 ところで、中国では餃子を食べる時に、重さで注文する。単位は1両(1両は50g)。1両から頼める店もあるが、最低でも2両からというお店がほとんど。豚肉と白菜のを2両、ニラと卵のを3両・・・といった具合に注文する。今回は豚肉×香菜、きゅうり×卵×海老、雪菜×尖椒を2両ずつ頼んで全部で6両。全部で32元なり。
 この重さ、実は小麦粉の重さ。つまり餃子の皮だ。1両の小麦粉で餃子5~6個が目安。女の子なら、1食3両も食べればお腹いっぱいだ。今回食べた宝源餃子屋の餃子は、皮がとても薄くて餡が多かったので、同じ1両でも実際にはかなりのボリュームになってしまった。
 昔、この重さを餃子自体の重さだと思って注文してえらい目にあったことがある。半斤だったか1斤だったか忘れてしまったが、とにかく斤単位(1斤は500g=10両)で頼んで、ものすごい量の餃子が出てきてしまったのだ。だって、1両だけでも餃子5~6個なのに、1斤なんて頼んでしまった日には・・・。テーブルにうずたかく積み上がった餃子を前に、途方に暮れた。
 ちなみに、中国では餃子は主食扱いなので、ご飯を一緒に注文するとものすごく不思議がられる。日本では餃子定食なんていうのが成立するが、こちらではあり得ない組み合わせだ。餃子定食と言えば、大学時代に同級生から聞いたエピソードがある。この同級生、中国旅行の途中、どうしても餃子定食が食べたくなった。餃子屋に入って餃子とご飯を注文。すると店員、同級生に向かってこう言ったのだそうだ。「お前、日本人だろう?」




餃子の頼みすぎには、くれぐれもご注意を!


■お店情報
宝源餃子屋
朝陽区麦子店街6号
010-6507-4538


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鶏肉の辛み炒め
辣子鶏丁
P1040007.jpg

【データ】とき:5月3日/ところ:南鑼鼓巷・聞香趣/ねだん:10元代だったと思う・・・

上海から北京に遊びに来た老同学との会食。
久しぶりの北京の「道ばた中華」(普通のローカル中華のこと!)堪能ということで、
点菜(dian3cai4=料理の注文)は彼女にお任せした。

悩みに悩む老同学。
メニューをめくりながらウーンウーンと幸せなうめき声をあげていた彼女が
ようやく意を決して注文したのがこれ。

「辣子鶏丁にしよう!」
「うわ!なんか久しぶり!」

辣子鶏丁は、どういう訳か私の「注文したい料理リスト」からははずれていて、
久しく食べていなかった。

「いいねいいね!久々に食べるよ。」
「でしょう?私も久しぶり!」

そう言えば、鶏肉をさいの目に切った鶏丁(ji1ding1)ものと言えば、
最近は宮保鶏丁(gong1bao3ji1ding1=ピーナッツと鶏肉の甘辛炒め)専門で、
腰果鶏丁(yao1guo3ji1ding=カシューナッツと鶏肉の炒めもの)も、
この辣子鶏丁もすっかりご無沙汰だった。

辣子(la4zi)は、辣椒(la4jiao1=唐辛子)のこと。
当然ながら唐辛子が入っていて辛いのだが、名前ほどのインパクトはない。
実は甘めの醤油味にちょっと辛みを利かせた程度で、
微辣(wei1la4=ちょい辛)くらいの辛さだろうか。
本場四川で食べたら、やっぱり激辛なのかもしれないけど。

久しぶりの辣子鶏丁は、美味だった。
鶏肉がきちんと下ごしらえしてあってやわらかい。
ふんだんに入ったピーマンも、
青臭さとシャキッとした食感を残して炒めてあってさわやかだ。

「おいしいねえ、やっぱり。」
「なんか盲点だったよねえ、辣子鶏丁。」

いつもとは違う人と食事をすると、「自分定番」以外の料理が食べられて楽しい。
いやあ、ありがとう、ありがとう。
またのお越しをお待ちしてます、老同学!


■お店情報
聞香趣(老賓朋)
南鑼鼓巷
*平安大道から南鑼鼓巷を北上して50mくらい、通りの西側。
過客よりは南側にあります。

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ヒラタケの香り揚げ
軟香平(ruan3xiang1ping2gu1)
P1040006.jpg

【データ】とき:5月3日/ところ:南鑼鼓巷・聞香趣/ねだん:22元

(長い長い前置きです。
 読み飛ばしたい方はべべーっと下にスクロールしてくださいませ。)

今ではすっかりおしゃれストリート(うわ、この言い方こそばい)になってしまった南鑼鼓巷。
この通りに店を構える聞香趣は、私の大のお気に入りレストランだ。

97年に留学生として北京にやってきた当時、このあたりは私のシマだった。
最初の留学先である中央戯劇学院が、南鑼鼓巷と交わる胡同、東棉花胡同にあったからだ。

思えば、北京にやってきて初めての外食はこのレストランだった。
西紅柿炒鶏蛋、糖酷里脊、豆花鶏片、水煮肉、地三鮮・・・
今でも大好きなローカル中華のメニューを初めて食べたのもこの店だった。

当時の店は南鑼鼓巷と東棉花胡同が交わる十字路にあって、その名を「賓朋餐廳」と言った。
でも、その当時留学していた日本人たちは、この店を「ハタメン」と呼んでいた。

「賓朋」は、どうも時代によって留学生たちにいろんな通称で呼ばれてきたようで、
少し後になって中戯に留学していた友人は「小姐の店」というし、
きっと他にもいろいろな呼び名があるのだろう。

さて、「ハタメン」という呼び名がどこから来ているのか。
話は少しさかのぼる。

「賓朋」の前身は、「賓朋」の横にある小売部(xiao3mai4bu4=売店)だった。
この売店の店先には、いつもある幟が立ててあった。
たばこブランド「哈達門」の幟である。

「哈達門」は中国語発音で「ha1da2men2」なのだが、
日本人留学生にとってはきちんと発音するのが面倒だったからか
これがなまって「ハタメン」になった。
そしてこの売店もいつしか「ハタメン」と呼ばれるようになったのだ。

売店「ハタメン」には、
留学生だけでなく中戯に通う本科生(ben3ke1sheng1=四年制の学生)たちもよく通っていた。

人情に厚い店の老板(lao3ban3=経営者、店主、社長)は、
学生たちから大哥(da4ge1=あにき)と慕われた。

「いいから、いいから!出世払いしてくれればいいよ!」

気前よく言う大哥に甘えて、
よくここでツケでたばこを買っていた学生も多かったという。
そんな彼らも、今ではすっかり有名な役者になった。

さて、この「ハタメン」売店の経営が軌道に乗り、
大哥は売店を弟さんに譲って、そのとなりにレストランを開いた。

「ハタメン」の通称はこのレストランへと引き継がれた。
これが私が留学した当時よく通った「賓朋」である。

このレストランがまたよく流行った。
学生や近所の人たちでいつ行っても満員だったし、店員たちの態度もよかった。

「ハタメン」で私たち日本人留学生が食事をすると、
何も言わなくてもおかずといっしょにご飯が先に出てきた。

中国人はご飯を最後に食べるので、
オーダーの時にご飯を注文しても最後にならないと出てこない。
だから私たちは口を酸っぱくして「ご飯ちょうだい!」と催促することになるのだが、
この店の店員たちは日本人がおかずとご飯を一緒に食べることをよく分かっていて、
何度も催促しなくてもちゃんとおかずと一緒にご飯が出てくるのだ。

お勘定の時に、あらかじめ割り勘の計算をしてくれたこともある。

留学生友だちと3時過ぎに遅いお昼を食べに行ったら、
休憩中の大哥から葡萄をごちそうになったこともあった。

中戯の留学生にとって、
「ハタメン」は数々の思い出と切っても切り離せない大切な場所なのだ。

中央戯劇学院から別の大学に移っても、
留学生をやめて働くようになっても、
「普通の中華」が食べたくなると私は大哥の店に通い続けた。
行けばいつでも、大哥や大姐、そして懐かしい味が待っていてくれた。

友人が遊びに来てくれた時も、必ずこの店に案内した。
絶対に外さない、何を頼んでもおいしいお店。
それが「ハタメン」だった。

思えば、このレストランの味が私のローカル中華のデフォルト値であり、
味のスケールになっていたのだろう。

私がいったん日本に帰っている間に、
大哥は「賓朋」を弟に譲り、自分はまた新しいレストランを開いていた。
この新しい店が、「聞香趣」だ。

けれど、なじみの客は「聞香趣」を今でも親しみを込めて「老賓朋」と呼ぶ。
以前からの場所にある「賓朋」は「新賓朋」、
大哥が新しく出した店舗のほうが「老賓朋」(昔からあるほうの賓朋)とは、
なんともややこしいことではある。

大哥はみなから慕われてもいるが、
同時になかなか商才のある人のようでいろんな新メニューを考案している。
そのうちの一つがこの軟香平だ。

ようやく本題にたどり着いた。
ああ長かった。

*****

軟香平(ruan3xiang1ping2gu1)は、平(ping2gu1=ヒラタケ)のフリッターだ。

軟香(ruan3xiang1)の軟(ruan3)は「軟らかい」という意味だが、
別にこのフリッターがふにょふにょと軟らかい訳ではない。

「軟炸(ruan3zha2=水溶き小麦粉の衣をつけて揚げること、フリッター)」の「軟」だろう。
「香(xiang1)」のほうは、「香ばしい」と解釈するのが妥当だと思うが、
私は「軟香」で「香り揚げ」だと思っている。

香菜がたっぷり入っていて、たまらなくいい香りなのだ。
(香菜が嫌いな人には悪臭にしか思えないだろうけど)

香菜だけでなく、唐辛子やゴマもたっぷり使われていて、
それはそれは香ばしくて美味い。

きつね色にカラリと揚がったヒラタケは、ビールのお供に最高。
さっくりと軽い揚げあがりなので、ちっとも胃にもたれない。

この料理のすばらしいところは、
揚げたてのアツアツだけでなく冷めてからも美味しいことだ。

この店に行くと、軟香平はもはや必須アイテムだ。
その存在を知って以来、頼まなかったことは一度もない。
そして紹介して食べてもらった友人で、
この料理を気に入らなかった人は一人もいない。

この日の出来は、油がパシッと切れそうなカラリッッッとした揚げ具合。
おろしたての新しい油で揚げたのだろう。
今までで最高の揚げあがりだ。

上海から遊びに来た大学の老同学とふたり、
争うようにしてバクバクと食べ、
そして燕京ビールをぐぐぐいっと飲み干す。

「女だてらに・・・」なんてカタイことは言いっこなしだ。

男であれ、女であれ、この誘惑にはとても抗えるものではない。


■お店情報
聞香趣(老賓朋)
南鑼鼓巷
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たたき胡瓜の和えもの
拍黄瓜(pai1huang2gua1)
P1040004.jpg

【データ】とき:5月3日/ところ:南鑼鼓巷・聞香趣/ねだん:4元くらい?

拍(pai1)は「はたく、たたく、打つ」。
黄瓜(huang2gua1)は胡瓜のこと。

胡瓜をガンガンとたたき割り、
辣椒油で辛みを利かせた調味料でちょいと和えただけ。
でも、美味しい。

たたき割った胡瓜からは、青臭さが匂う。
胡瓜の質にも左右されるけれど、
新鮮でぎゅっと身の引き締まった胡瓜はそれだけでごちそうだ。
こちらの人はまるでフルーツのように胡瓜を丸かじりするが、
その気持ちも分かるような気がする。

これに調味料がからんで実に美味しい。
お店によって味付けに違いはあるが、
私の好みはごま油と辣椒油をしっかり利かせたもの。
その点、この店のはかなりのストライクゾーンだ。

すぐに出てくるのもこの料理のうれしいところ。
メインの料理が出てくるまで、ビールのつまみに何かほしい・・・
そんな時は迷わず拍黄瓜。
まず外さないし、お財布にも極めてやさしいからね。


■お店情報
聞香趣(老賓朋)
南鑼鼓巷
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尖椒とじゃがいもの細切り炒め
尖椒土豆絲(jian1jiao1tu3dou4si1)
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【データ】とき:5月3日/ところ:南鑼鼓巷・聞香趣/ねだん:確か8元

究極のチャーハンよりも、私はこっちを取りたい。

ローカル中華の醍醐味は、
こんな普通の食材を使って普通に調理したものが普通じゃなく美味しいところ。

でもこういうのを日本で作ってもらうと、
1800円とか2200円とかいう
普通じゃない値段の料理になっちゃうんだけどね。

尖椒(jian1jiao1)の尖(jian1)は「とんがった」、
椒(jiao1)は刺激性のある植物のことだ。

おおざっぱに言えばとんがった巨大ピーマン。
青唐辛子のような形をしていて、これが結構辛い。
ピーマンだと思って食べると痛い目に遭う。

ピーマンと青唐辛子とししとうを足して3で割ったような野菜、である。

この尖椒と土豆(tu3dou4=じゃがいも)の細切りを炒めただけのシンプルな料理が、
尖椒土豆絲だ。

絲(si1)は、細い糸状のもののこと。
料理の名前にこの「絲」がついていたら、
食材を細切りにするということだ。

細切りしたジャガイモと尖椒を
ただ単にちゃちゃっと炒めただけの料理がなぜにかくも美味なのか?
これこそが、私がローカル中華に見せられている所以なのだ。

この料理のキモは、じゃがいものシャキシャキとした歯ごたえ。
このシャキシャキ感を上手く残せるかどうかで、
美味しさがグンと違ってくるのだ。

じゃがいもを食べてシャキシャキしてると思ったこと、日本ではなかった。
これを食べると、じゃがいもも野菜なんだなあ・・・と強く感じる。

そして色的にも味的にもいいアクセントになっているのが尖椒。
日本ではピーマンで代用されているようだが、
ここはやっぱり辛みのきいた尖椒でいきたい。

少し辛くないと満足できないのは、
北京ローカルグルメ生活の弊害だろうか・・・。
どうも味覚の初期値設定が変わってしまったらしい。


■お店情報
聞香趣(老賓朋)
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黄金海鮮チャーハン
金[金襄]銀炒飯(jin1xiang1yin2chao3fan4)
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【データ】とき:5月1日/ところ:大望路・陳福記/ねだん:128元

シンガポールの名店(という触れ込みの)陳福記。
その看板メニューがこのチャーハンだ。

シンガポール駐在員&その妻たち御用達と言われるこのレストランで
日本人から「究極のチャーハン」の名で親しまれているという。

[金襄](xiang1)は「ちりばめる」という意味。
金や銀をちりばめたというその名の通り、
チャーハンは黄金や白銀をちりばめたようなまばゆいばかりの華やかさ。
それゆえに「黄金のチャーハン」の異名がある。

聞けば、米、蝦、蟹、チャーシュー、そして卵にいたるまで、
素材はすべて厳選素材。
じっくりと20分もかけて炒めたご飯は、パラパラとして脂っこさとは無縁。
周富徳言うところの「究極のチャーハン」の条件を備えているということらしい。

中華の本場、北京ではさぞかし美味しいチャーハンが食べられるだろう
と思う向きもあるかもしれないが、
実はこちらのチャーハンは美味しくない。
ローカルB級グルメ系レストランであればあるほど、
いただけないチャーハンを出すところが多い。

思うに、こちらの人はお米のパラパラ具合だのさっぱりさだのに
それほどこだわっていないのだ。
味付きご飯くらいの感覚かもね。

だから美味しいチャーハンを食べたければ、
日本で食べるか、香港あたりに行くべし。

でも、同じ北京でも高級系レストランなら話は別。
チャーハンにも力が入っている。
ま、たまにはそんなハイソ系中華もいいかもね、
「究極のチャーハン」とやらも食べてみてもいいかもね、
ということで、ある晩この陳福記にやってきたのだった。

*****

この日はお腹がそんなにすいていなかったので、
チャーハンの他には野菜ものだけオーダー。
なんてったってお高いし。

芥蘭菜の炒めもの
P1030983.jpg


アスパラと茸の炒めもの
P1030984.jpg


どちらもあっさりした味付けで上品ですこと。

さて、お目当ての黄金チャーハンは、覆いのついた大皿で恭しく運ばれてきた。
テーブルの上でふたを開けると、おおっ!

P1030987.jpg


確かに黄金である。

蝦も蟹もそりゃあもうたっぷり。
これでもかッ!というくらいふんだんに入っている。
金色の細い糸のようなものは、特製錦糸玉子。

取り分けてもらって、いただいてみると・・・

はい。美味しいです。
ご飯粒は一粒ずつパラリパラリとお口の中で広がります。
深みのある醤油と海鮮の旨味が、よくご飯に行き渡っています。
それにちっとも油っぽくありません。
錦糸玉子も、さっと揚げてあってハリハリとした歯ごたえが楽しいです。

「これ、確かに美味しいね。」
「すごくさっぱりしてるね。」
「うん。日本から来た人に食べてもらったら喜ぶだろうね。」

で?
いくらだって?

え?
128元!?

チャーハン、街の食堂で食べたら4~5元、
ちょっと高級系のレストランでも20元いくかいかないかが相場だ。

それが128元である。

私、こういうのはダメなのだ。
禁じ手なのだ。

伊勢エビ丸ごと入ったみそ汁みたいなもんで、これって反則だと思うのよね。

庶民でも手が届く素材をどううまく料理(文字通り)してくれるかが
食べ手にとっても楽しみなのであって、
お金をかけて高級食材を使って美味しいのは当たり前だと思う。

だからフカヒレも燕の巣も干しアワビも、あんまり興味なし。

今回このチャーハンを食べてみて、
つくづく私は高級中華に向いてないと思い知った。

それよりやっぱり、
ジャガイモの千切り炒めだの、
たたき胡瓜だの、
地三鮮だの、
炒餅だのが、いいなあ。

北京にはどうやらそう思っている人が多いらしく、
週末の店内はやけに閑散としていた。

*****

実は、この店で一番楽しめるのは料理ではなくてメニュー。
日本語名が併記されているのだが、これがまた久々の傑作なんちゃって日本語なのだ。

つらいことがあったら、北京の陳福記に来るといいかも。


■お店情報
陳福記
朝陽区西大望路1号 温特莱中心A座2階
010-6538-8456

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客家風肉詰め三種
客家[酉良]三宝(ke4jia1niang4san1bao3)
P1030913.jpg

【データ】とき:4月23日/ところ:南池子・客家菜餐館/ねだん:26元

客家(ke4jia1=はっか)料理のレストランに行くと、たいていメニューに載っているこの料理。

*客家について知りたい方はこちらをどうぞ。

肉詰めにした豆腐、茄子、苦瓜を、ちょっと濃いめのお醤油味で煮込んである。

肉詰め豆腐が一番オーソドックスかつ有名で、これは客家[酉良]豆腐という。
茄子の肉詰めが客家[酉良]茄子、苦瓜の肉詰めが客家[酉良]涼瓜。
涼瓜(liang2gua1)は苦瓜(ku3gua1)の別名だ。

一番有名な客家[酉良]豆腐は、客家の人たちの伝統料理。
お祭りや家族や友人同士の集まり、酒の席などに欠かせないものだそうだ。
客家[酉良]茄子や客家[酉良]涼瓜もまたしかり。
そんな大切な伝統料理が三つも揃ったということで、「三宝」の名がついたのだろう。
私たちにとっては、お得な盛り合わせセットという訳だ。
お宝、お宝。

[酉良](niang4)は「醸」の中国語簡体字。
そもそもは「醸造する、かもす」といった意味なので、
私は長いことずっと、[酉良]なんとかというのはつけ込んで発酵させてある食べ物だと思っていた。

でもどうやら、挽肉、というよりも包丁で叩いて作った肉あんのことを肉[酉良]と呼ぶことから、
肉あんを入れた料理のことを「(肉)[酉良]○○」と呼ぶらしい。

一度素揚げにしてあるのか、ちょっと油っ気があってコクがある。
お醤油の他にも、豆チーが入っているのでうまみも十分だ。

こういうお醤油煮込み系のおかずって、ご飯にのせると実に美味いのだな。

P1030914.jpg


一緒に食事した友人と二人、
テーブルをはさんで黙々とこの皿をつつき、
ご飯をかっこみ続けたのであった。

*****

この店、南池子にある画廊を見に行った帰りに立ち寄ったのだが、
ホールに店員の姿が見えず、ご主人がひとりあたふたと接客。

対応が後手後手にまわって、あまり気持ちよく食事ができなかった。

ただ、この料理だけは味もまあまあだったし、
写真がやけに美味しそうに撮れたので、ボツネタ箱から復活。

こうして改めて見てみると、
昼間に自然光で撮るとコンパクト・デジカメでもここまできれいに撮れるんだな~、
と我ながら感心。

自然光って、つくづく偉大だ。

■お店情報
客家菜餐館
南池子
*という訳でこの料理以外はおすすめできないので、詳しい情報はなし。
他の客家料理レストランに行ったときに試してみてくださいね。

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棗とカボチャの蒸しケーキ
蜜棗南瓜[米羔](mi4zao3nan2gua1gao1)
P1030805.jpg

【データ】とき:4月20日/ところ:朝陽門・渝郷人家/ねだん:10元

日本で南瓜と言えば煮物や天ぷらなどおかずのイメージが強いが、
こちらではスイーツ(というとなんか違う気もするのはなぜかしら?)にすることが多い。

この蜜棗南瓜[米羔]も、南瓜を使ったお菓子だ。

小麦粉の生地に南瓜をまぜ、蜜棗(mi4zao3=棗の砂糖漬け)を乗っけて蒸してある。

[米羔](gao1)は、辞書には米の粉や小麦粉を主材料として作った食品とあるが、
蛋[米羔](dan4gao1=ケーキ)や、
松[米羔](song1gao1=マフィン)のように、
ふわふわした質感のものを指すことが多いかな。

蜜棗がちょこんと乗っかった淡い黄色の蒸しケーキ。

P1030807.jpg


なかなか期待できるビジュアルだ。

「いただきまーす!」
と一つ手にとってみると、おや?
なんかこれ、結構重たいぞ。

パクリ。
や、これ、意外とどっしりしてる!

ふわふわケーキを想像していたのだが、
南瓜が入ったせいか、
見た目よりもだいぶどっしりと重たい食感だった。
ふわふわというよりは、もちもちしてるのだ。

同じ[米羔]がつく食品でも、年[米羔](nian2gao1=おもち)のほうが近かったらしい。
お菓子というよりは、主食といったほうがむしろ適切かも。

■お店情報
渝郷人家
朝陽区朝陽門外大街20号聯合大廈5階
010-6588-3841/3845

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里芋とろろご飯
芋頭飯(yu4tou2fan4)
P1030482.jpg

【データ】とき:3月29日/ところ:朝陽門・岳麓山屋/ねだん:4元

なんと、里芋のとろろご飯である。

ふかした里芋をつぶして薄いスープ(?)でのばした「里芋とろろ」を、ご飯にかけて食べる。

P1030481.jpg


一口食べてみる。
ん?
なんか、味、ない?

里芋とろろには、ほとんど味はついてない。
里芋自体の素朴な甘みで、直球勝負である。

P1030480.jpg


最初はちょっともの足りなく感じるが、これが意外にくせになる。
里芋だけの味が単調に感じるならば、
例えばこんなおかずや、
P1030477.jpg

<香煎村白豆腐:豆腐とキノコの炒め煮(20元)>

こんな前菜のタレなんかを
P1030474.jpg

<香菜牛肉:牛肉の香菜巻き(24元)>

ちょろりとかけてバリエーションを楽しむのもいい。

竹筒に入ったご飯は見た目よりボリュームたっぷりだったのだが、
オリジナル味で一口、
あのおかずで一口、
このタレで一口、
と食べているうちに、すっかりきれいに平らげてしまった。


■お店情報
岳(嶽)麓山屋(工体店)
北京市朝陽区工体西路鹿港小鎮向かいの道を入って100m
010-6551-0806
*現代アーティスト、方力鈞が茶馬古道に続いて出したお店です。
 茶馬古道は雲南料理ですが、こちらは湖南料理。
 お値段はちょっと高めだけど、どのお料理も平均しておいしいですよ。
*什刹海店と望京店もあります。


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臭豆腐(しゅう豆腐)
臭豆腐(chou4dou4fu)
P1030484.jpg

【データ】とき:3月29日/ところ:朝陽門・岳麓山屋/ねだん:1個2元

その名を聞いて、好きな人なら目を輝かせ、嫌いな人は顔をしかめる。
クセのある料理の特徴だ。

これもまたその一つ。
豆腐を発酵させて油で揚げた料理なのだが、何しろ匂いが強烈。
「臭豆腐」の名はだてについてはいない。

街角の臭豆腐さんは、その姿が見えずとも
ただよう「香ばしいアンモニア臭」でそれと分かる。

日本人の中には、鼻をつまんで通り過ぎる人もいるというから、
現地グルメをテーマにした番組なんかで、
罰ゲームとしてタレントに食べさせるのにもってこいの食材だろう。

北京でも見かけるが、どちらかというと南のほうの料理のようだ。
香港、台湾でも広く食べられているから、日本人にもおなじみかもしれない。

匂いもさることながら、ビジュアルも不気味。
炭色というか、ドブ色?
とても食べ物とは思えない色ですなあ。

で、お味はというと、これが美味いのだ。
揚げたてのアツアツを、ちょっと辛目のタレにつけていただくと、
臭豆腐からジュウッとしみ出てきたうま味とタレが口の中に広がる。
ちょっと酸っぱいようなしょっぱいような、
発酵食品特有の複雑なうま味がクセになる。

ちなみに、北京では臭豆腐と言えば王致和のものが有名だが、
これは別物。
こちらのほうは豆腐を漬け物の汁に漬けて熟成させた発酵食品で、
沖縄の豆腐ようを思い浮かべてもらえるといいかも。

これがまた強烈に臭い。
揚げ豆腐の臭豆腐より、こっちのほうが断然臭い。
この匂いに一番近いと思うのは、ズバリ、
中国のニーハオトイレの臭いだ。

こんなもの誰が食べるのかと思うかもしれないが、
なんと、かの西太后の大好物だったというし、
実は私もきらいではない。
揚げたウオトウに塗って食べると、意外にいける珍味なのだ。

それに食べつけると、あのトイレ臭までもが芳香に感じられて・・・
というのはもちろんウソだけど。


■お店情報
岳(嶽)麓山屋(工体店)
北京市朝陽区工体西路鹿港小鎮向かいの道を入って100m
010-6551-0806
*現代アーティスト、方力鈞が茶馬古道に続いて出したお店です。
 茶馬古道は雲南料理ですが、こちらは湖南料理。
 お値段はちょっと高めだけど、どのお料理も平均しておいしいですよ。
*什刹海店と望京店もあります。


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干し筍と野菜の炒めもの
南岳脆笋(nan2yue4cui4sun3)
P1030476.jpg

【データ】とき:3月29日/ところ:朝陽門・岳麓山屋/ねだん:38元

ayaziの大好物、干し筍。

シャキシャキ、コリコリと噛みごたえのある食感はもちろんのこと、
干してあるので旨味がギュッと凝縮されて、
生の時にはない深みが出ているのが嬉しい。

これを野菜の細切りと一緒に炒めたのがこの一品。

決してこってりしている訳ではないけれど、
かといって単純なあっさり味でもない。

さっぱりとんこつ味とでも言えばいいだろうか。
どんなだ。

私も大好きな料理だけれど、意外に男性にも好まれる。
ご一緒した男性は2人とも、
「これ、美味い!」
と、バクバクと気持ちよく召し上がった。

男の人がガツガツと豪快にものを食べるのは、見ていて気持ちがいいものだ。
私も負けてはいないが。

ちなみに、私の理想の男性像には、こんな条件が含まれている。

「私よりたくさん食べる」
「私より早く食べ終わらない」

無理・・・かな。

■お店情報
岳(嶽)麓山屋(工体店)
北京市朝陽区工体西路鹿港小鎮向かいの道を入って100m
010-6551-0806
*現代アーティスト、方力鈞が茶馬古道に続いて出したお店です。
 茶馬古道は雲南料理ですが、こちらは湖南料理。
 お値段はちょっと高めだけど、どのお料理も平均しておいしいですよ。
*什刹海店と望京店もあります。


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干し筍と地鶏の煮込みスープ
扁尖笋[火畏]土鶏(bian3jian1sun3wei1tu3ji)
P1030841.jpg

【データ】とき:4月22日/ところ:海淀区・8610食庫/ねだん:20元代?

扁尖笋(bian3jian1sun3)は、
尖笋(sun3jian1=筍の先のやわらかい部分)の塩ゆでにして干したもの。

作る過程で、尖笋を渦巻き状に並べて叩きいてぺしゃんこにするので、
扁(bian3=平たい、扁平な)がついている。

浙江省の名物だそうだ。

[火畏](wei1)はとろ火で煮込むこと。
土鶏(tu3ji1)は地鶏だ。

このスープは、週末ご飯友だちS氏が見るなり
「お、地鶏のスープだ。これにしよう!」
と即決したメニュー。

筍も入っているとなれば、シャキシャキ食感に目がない私に異論があろうはずはない。

ところが、これが面倒の始まりだった。

テーブルにぽつぽつと料理が並び始めた頃、そのスープは運ばれてきた。

待ってました!
と土鍋をのぞき込むと、そこにはギトギトの油の層が浮かんでいる。
一口飲むと、お味はいいのだが何しろ脂ぎっている。

「うわ!すごい油だな。」
「これはちょっと・・・飲めないね。」

たまらずS氏が店員を呼んだ。

「これ、ホントに地鶏?」
「地鶏ですよ?」
「脂っこくて飲めたもんじゃないよ。」
「お出しする時に、店の者が表面に浮かんだ油を取りませんでしたか?」
「いや?取ってくれなかったよ。」
「いつもは必ず取るんですけど。」
「じゃあ今からでもいいから取ってくれないかな。」

かくして、いったん運ばれてきたスープは再び厨房へと帰っていった。

しばらくして戻ってきたスープ。
確かにギトギト油はなくなっていた。

よしよし、お勤めご苦労さま。
さっそくお碗に取り分けてみると、ややっ?筍がやけに少ない。

再び店員を呼ぶ。

「だめだよ。油を取った時に筍まで取っちゃ!筍足して。」
「え?でも・・・」
「さっきのにはたくさん入ってたよ。
 ウソだと思うんなら写真撮ってあるから見てごらんよ。」
「・・・」

不満そうな店員は、それでもスープを持って帰った。

そこからが長かった。
スープは待てど暮らせど出てこない。
食事はどんどん進んでいき、おかずはみるみる少なくなっていく。

「裏でもめてるのかな。」
「マネージャーがウンって言わないのかもね。」

おかずが半分くらいに減ったあたりで、ようやくスープが運ばれてきた。

今度は筍たっぷり。もちろん油もちゃんと取り除いてある。
が、よく見るとさっきは鶏肉を崩してあったのに、今度のは丸ごと一羽のままだ。

「作り直したんだね。」
「別にさっきのに筍足してくれるだけでよかったのにね。」

何がどう不都合だったかは知らないが、新しく作るほうが手っ取り早いと考えたのだろう。
油を取り除くのを忘れたばかりに、倍のコストがかかっちゃったね。

さて、ようやく落ち着いてスープを一口。

P1030842.jpg


鶏さんが丸ごと一羽入っているスープだ。
骨やら肉やら皮やらからエキスがじわじわ~ッと、じわじわ~ッッとしみ出して、
旨味の露と化している。
まずいことがあるはずがない。

それに加えて、扁尖笋からの旨味もプラス。
塩気と干し野菜の凝縮された滋味が、スープの味に深みをもたせている。

おいしいスープがあるとなれば、これをやらずにはいられない。
スープを二度楽しむ奥の手だ。

いや、何のことはない、ご飯をぶっこむだけなんだけど。

P1030855.jpg


だめだ。
この誘惑には、どうやっても勝てない。

*****

ところで、私は筍がかなり好きだ。
干してあるとなおさら好き。

ということで、次のエントリーは筍つながりで、あれにしようっと。


■お店情報
8610食庫
北京市海淀区北清路永豊基地商服中心
010-5871-1681

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擂り茄子のにんにく和え
鳳凰擂茄子(feng4huang2lei2qie2zi)
P1030473.jpg

【データ】とき:3月29日/ところ:朝陽門・岳麓山屋/ねだん:22元

茄子つながりでもう一つ。

蒸した茄子をすり鉢でごーりごーりとあたり、
ニンニクたっぷりの酢醤油風味で和えた前菜だ。

ひんやり冷たくて、ちょうどいい口直しにもなる。

すり鉢と擂り粉木ごとテーブルに出てきて、なかなかにインパクト大。
でもそれが面白いところ。

茄子を擂るなんて、日本人には意外も意外。
茄子って、擂るとほんの少し粘りがでてとろりとした食感になるなんて、
この料理を食べるまで知らなかった。

ねばりのあるトロトロの中に、
崩れきらない茄子の塊がごろんごろんと同居しているところもまた不思議。

でもこの料理、ランチやデートにはおすすめできない。
だって強烈ににんにく臭いのだ。
手を出さないか、もしくは二人でご一緒にどうぞ。


■お店情報
岳(嶽)麓山屋(工体店)
北京市朝陽区工体西路鹿港小鎮向かいの道を入って100m
010-6551-0806
*現代アーティスト、方力鈞が茶馬古道に続いて出したお店です。
 茶馬古道は雲南料理ですが、こちらは湖南料理。
 お値段はちょっと高めだけど、どのお料理も平均しておいしいですよ。
*什刹海店と望京店もあります。


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蒸し茄子の酢醤油がけ
農家茄子(nong2jia1qie2zi)
P1030833.jpg

【データ】とき:4月22日/ところ:海淀区・8610食庫/ねだん:10元代?

長茄子を蒸して、ネギのみじん切り入りの酢醤油にひたしただけのシンプルな料理。

なんだけど、これが思いの外美味しかった。

農家(nong2jia1)とついているのは、
農家の人が食べるような田舎風の気取らない素朴な料理
とでもいったニュアンスだろうか。

ちょっと香り付けにごま油を使っているかもしれないが、基本的にはノンオイルなので、
とてもさっぱりしている。

私が北京に来た頃には、茄子と言えば必ずと言っていいほど丸茄子だったが、
最近は長茄子を見かけることが増えてきたように思う。

丸茄子はさいの目に切って炸醤麺のタレやあんかけ麺のあんに入れたり、
素揚げにしてから炒めて地三鮮にしたりと、
割合こってりした料理に使われることが多いけれど、
長茄子のほうはこんなあっさりした前菜によく使われている。

にんにくとの相性も抜群によく、
手で裂いた蒸し茄子をたっぷりのおろしにんにくと酢醤油であえた
手撕茄子(shou3si1qie2zi)もなかなか捨てがたいメニューだ。

何かあっさりした野菜系の前菜が食べたい時、
茄子をキーワードに探してみるのもまた一手だ。


■お店情報
8610食庫
北京市海淀区北清路永豊基地商服中心
010-5871-1681

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井岡風湯葉の炒めもの
井岡豆皮(jing3gang1dou4pi2)
P1030837.jpg

【データ】とき:4月22日/ところ:海淀区・8610食庫/ねだん:20元代?

井岡(jing3gang1)は井岡山のこと。
湖南省と江西省にまたがる山岳地帯で、毛沢東が共産党革命根拠地を築いた場所だ。

豆皮(dou4pi2)は湯葉のことだ。

井岡豆皮は井岡あたりの名物で、通常は細い管状に成形されたものを言うらしいが、
この日食べた井岡豆皮は軽く焼いたような薄いクレープ状だった。

先日天津で食べた鍋巴菜の鍋巴よりもちょっと厚みがあって、より豆腐っぽい。

これを赤ピーマン、ニラ、木耳などと一緒に炒め、ピリ辛醤油味で仕上げてある。
なんということはない普通の炒めものだが、
辛みのきいた醤油味というのはなんといってもおいしいものだ。

豆腐は厚揚げだとちょっとお腹に重たいけれど、豆皮なら軽い食感で食べやすい。
ふにゅふにゅというか、もさもさというか、なんとも不思議な感覚だ。

中国には、日本人にはあまりなじみのない豆製品があって楽しい。
腐竹(fu3zhu2=湯葉を棒状にして乾燥させたもの)、豆腐絲(dou4fusi1=押し豆腐の細切り)・・・

さらには、各地方にはまだまだユニークな豆製品がたくさんある。
天津の鍋巴しかり、この井岡豆皮もしかり。

中国全土の豆製品を食べ歩くというのも、また面白いかもしれない。


■お店情報
8610食庫
北京市海淀区北清路永豊基地商服中心
010-5871-1681

【ひとこと】

北京の西郊外、大覚寺へと向かう北清路沿いにある巨大な江西料理レストラン。
P1030870.jpg

もとは倉庫だった建物を改装して作ったので、「食庫」の名があります。
P1030865.jpg

二棟の「食庫」の間にはこんな中庭も。
P1030847.jpg

「大きいことはいいことだ」な北方中国人的性格を実感できますよ。


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香椿と卵の炒めもの
香椿炒鶏蛋(xiang1chun1chao3ji1dan4)
P1030835.jpg

【データ】とき:4月22日/ところ:海淀区・8610食庫/ねだん:20元くらい?

北方中国に春を告げる食材、香椿(xiang1chun1)。
日本語ではチャンチンと呼ばれる落葉高木で、春先に出る新芽を食べる。

香椿の木は街なかにも普通に生えている。

こんなところにも、

P1030919.jpg


あらこっちにも。

P1030920.jpg

↑上の写真2点はどちらも王府井近くの胡同で撮ったもの。

香椿の幹は結構ごつごつしていて、

P1030910.jpg


食用にする新芽は赤みを帯びている。

P1030911.jpg

↑これは芽が出てからちょっと時間がたってますね。
 すこーし赤っぽいのが分かるでしょうか。

芽吹いたばかりの若葉をつみ取って、束にして売られている。

P1040252.jpg

↑これで3.24元(180グラム)。近所のスーパー京客隆でパック売りしてました。

三月中旬あたりから野菜市場でちらほらと見かけるようになり、
旬は四月と五月初旬あたりまで。
もうそろそろ、香椿の時季も終わりを告げる。

ゆがいて豆腐と和えた香椿豆腐、ゆで大豆にまぶして食べる香椿豆あたりが大定番だが、
忘れてはいけない料理がこの香椿炒鶏蛋だ。

香椿をさっとゆがいて卵と炒めたシンプルな料理。

P1030836.jpg


コリコリとした歯ごたえと、
山菜を思わせるほのかな苦みが美味しい、いかにも春らしい料理だ。

真夏のような日差しを浴びて、街なかの香椿も大きく葉を広げ始めた。
北京はもう初夏を迎えつつある。


■お店情報
8610食庫
北京市海淀区北清路永豊基地商服中心
010-5871-1681

■『日経ギャラリー』5月号で、香椿についての記事を書かせていただきました。
 「旬探訪」というコーナーです。
 東アジア地区にお住まいで日経新聞をご購読の方は、ぜひご覧になってください。

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長寿麺
長寿面(chang2shou4mian4)
P1030799.jpg

【データ】とき:4月15日/ところ:天津・九春堂酒坊/ねだん:コース1人分100元

誕生日に欠かせないもの。
それはケーキ。

P1030758.jpg


49歳のお誕生日を迎えたL氏だが、
実はこの日は50歳の誕生日祝いも兼ねていた。

50歳になる年には誕生日を祝ってはいけないらしい。

別に中国人全体にそういう習慣があるわけではなく、
しかも天津の土地の言い伝えでもないようで、
結局どんな理由によるのかは不明。

いずれにしてもL氏はそう信じているようで、
それで今年は49歳と50歳を兼ねて盛大に祝おうということになったらしい。

だから、ケーキに「49」と「50」の二種類の蝋燭が立っているのだ。

こちらのデコレーションケーキの味を全く信じていなかった私だが、
このケーキは意外と食べられた。
中国のデコレーションケーキも進歩したものだ。

ちなみに、ケーキカットは宴が始まった直後に行われた。
蝋燭を吹き消した後は、主役自らが切り分ける。
日本だと、ケーキは食事が終わってからだけどな。
タイミングが全然違っていて面白い。

ところで、誕生ケーキのほうはごく最近の習慣。
中国の誕生祝いで本当に欠かせないのは、長寿麺だ。
うどんのように長く生きられるようにとの願いを込めた、縁起のいい食べ物だ。

この日振る舞われた麺は、天津風の炸醤麺。

P1030798.jpg


ゆでた麺の上に、醤油ベースのとろみあんをかけ、
きゅうり、セロリ、人参などの野菜の千切りや、
ゆで大豆、天かすのようなものを甘辛に煮染めたもの(テーブル手前の茶色い物体)、
赤く色をつけた幅広春雨などを好みでのせて食べる。

同じ炸醤麺でも、肉味噌を乗せる北京のものとはだいぶ趣が違う。

私はこっちのほうが好きだな。
北京のは油がすごいし、何しろしょっぱいのだ。

天津風は、やさしい甘辛醤油あん。
とろりつるりとあっという間に平らげてしまった。


■お店情報
九春堂酒坊
天津市河北区天秦路芳草園442号(北洋橋)
022-2661-9698


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薬膳のコース
薬膳套餐(yao4shan4tao4can1)
【データ】とき:4月15日/ところ:天津・九春堂酒坊/ねだん:コース1人分100元

薬酒が売りの九春堂酒坊はまた、薬膳コース料理のお店でもある。

回族の一家が経営しているこのレストランで出される料理には、
豚肉が一切使われていない。

まず出されたのがこのスープ。

P1030782.jpg


透き通ったあっさりとしたスープは、口当たりのいい上品なおいしさ。
でも、中に入っているこのふにゃふにゃしたものは何?

「牛の生殖器だよ。」
何かと聞いたら、S氏が教えてくれた。

あーん?そういえば、昔北海公園の宮廷料理レストランで食べたなあ。
こんなふにゅふにゅした食感だった、確か。

なんかイヤな予感がしてきた。
これ系のものばっかり続くんだろうか?

しかし予想は裏切られた。
堰を切ったように次から次へと運ばれてくる料理は、
どれもあっさりとした上品な味付けのスタンダード食材のものばかり。

P1030786.jpg


唯一の例外が、上の写真の一番手前の薄切りハムみたいな料理。
はい、これもまた牛さんのあの部分。
これは、コリコリして美味だった。

こういうのが出ると、座が盛り上がるのはどこの国でも同じこと。

別室に女性同士で集まって盛り上がっていたL氏の奥様が飛んできて、
「あっちの女部屋ではねえ、
 これは少なくとも15センチものだってことになってるわよ!」
と言うやいなや、華やかな笑い声をあげた。

そしてくるりと振り向くと、
背中にその明るい笑い声の余韻だけを残して、
ピューッと走るように出ていった。
長く結ったお下げ髪が背中ではねるようにしてしなった。

男どもも快活な笑い声で応える。
(私はなぜか男部屋に座っていた。)
あっけらかんとした明るい下ネタ。
いい感じだ。

料理はどんどん運ばれてくる。

P1030788.jpg


煮込みアワビ。スープがよく染みていて美味。

P1030787.jpg


これは腰子(yao1zi)。
羊の腎臓だ。
見るからに腎臓の形。今回初めて食べた。
オシッコ臭いという噂を聞いていたけど、クミンがよく利いていたせいか全く気にならず。
ちょっとレバーみたいで、コクがあってよかった。

さらに料理は続く。

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お皿同士が重ねてられているのに注目。
はなっから並べきれないことを見越して、立体皿置き作戦に出ているのだ。

ゆでシャコ(花山椒風味)、焼き蝦のトマトソース、蒸し魚、鶏唐揚げのレモン香草ソース・・・
ああもういったい何皿出てきたかも分からない。
永遠かと思われるくらい料理は続いた。

おかげで写真を撮るヒマもない。
途中までパシャパシャやっていたものの、最後には写真撮影を放棄してしまった。


■お店情報
九春堂酒坊
天津市河北区天秦路芳草園442号(北洋橋)
022-2661-9698


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10種の薬酒
十道薬酒
P1030791.jpg

【データ】とき:4月15日/ところ:天津・九春堂酒坊/ねだん:コース1人分100元

15日はS氏の老同学、今年49歳になるL氏の誕生会。
私も参加させてもらった。

L氏が会場に選んだのは、九春堂酒坊。

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100種類もの薬酒を取りそろえた薬膳料理のお店だ。

店内に足を踏み入れると、ずらりと並ぶ薬酒に圧倒される。

P1030740.jpg


保存棚に並んだガラス瓶の他にも、巨大な酒がめが鎮座する。

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この酒坊では、コース料理と共に
第一道から第十道まで10種類の薬酒が用意されている。

P1030800.jpg


使われている生薬の種類に応じて、効能もさまざま。
潤肺止咳、大補元気、清熱解毒、疎通血脈、拡張血管・・・
ふむふむ、なるほど。
温補腎陽、壮陽回春・・・ん?

どうりで、男性陣がやたらと盛り上がっていると思った。

「ここの酒を飲んでいくとな、だんだん耳がかゆくなってくるんだよ。」
L氏が豪快な笑い声を立てた。

「いや大変だぞ!薬酒を飲んだら、そこにある石をかかえて一階まで行って来ないとな!
 いや、表を一回りしてこないと行けないかもしれないぞ!」
窓際に置かれた巨大な鑑賞石を指して、S氏も盛り上がる。

「飲んだら一暴れだ!」
どっと座がわいた。

やれやれ。
男どものはしゃぎようときたら。

そうこうしているうちに、第一道から第三道までのお酒が運ばれてきた。
P1030790.jpg

↑第一道はすでに注ぎ始めているので写っていません。

おわっ!
メスシリンダーだよ?
メスシリンダーにこの色の液体はないよな。
これじゃまるで●●ッ●じゃないか・・・

それはぐっと飲み込み、さっそく第一道からいただくことにする。
うーん、苦甘い。
とろりとした薬酒の強い酒気が、口の中と鼻腔に広がった。

第二道、第三道と飲み進む。
第三道は、熊肝酒。
「これは強烈に苦いな。」
一足先に口をつけたS氏が苦虫をかみつぶしたような表情を向けた。
私も一口。
おお、これは確かに強烈だ。

「熊の肝ってのは、生きながら取り出さないと効き目がないらしい。」
S氏が言う。
「生きたまま?」
私は思わず目をむいた。
「あんまり残酷なんで、今はやらなくなってるらしいけどね。」
そりゃそうだろう。

苦い苦い熊肝酒をみんなが飲み干すと、次に運ばれてきたのは第四道から第六道。

P1030792.jpg


ややっ?
何だこの青いカクテルみたいな酒は?

「藍色夢幻です。」
お店の人が説明してくれる。

「これ以外は白酒を使ってるけど、この藍色夢幻だけは洋酒ベースなんだよ。」
L氏が説明してくれた。
聞けば、このお酒に漬け込まれているのはいろんな花だとのこと。
青い色はカクテルの色づけに使うものによるという。

P1030793.jpg


これも一気に飲み干す。

驚いたことに、飲み干してしばらくたつと上半身、特に顔がカーッと火照り、
チクチクと刺されるようにヒリツキ感が出始めた。
おまけに耳がむずむずと痒い。

「顔赤くなってない?」
S氏に聞くと、
「うん。赤いぞ!」

お酒を飲んで顔が赤くなったり、酔ってボーッとすることはあるけれど、
こんな風に一気に火照ったり、ましてやヒリヒリチカチカする感じは初めてだ。

しかもさらに驚いたことには、その後引き続き飲み進んだにも関わらず、
火照りとヒリヒリ、そして痒みは徐々におさまり、
30分もたった頃には嘘のように静まっていた。

恐るべし、「藍色夢幻」。
効能は疎通血脈と暢通経絡。
血の巡りと経絡の流れをよくする効果があるらしい。

もともと経絡の通りがよくて、
青竹踏みやツボ刺激をするとピキーンと微電流が走るように反応する私の身体。
「藍色夢幻」で、通じがよくなりすぎちゃったのかも。

ところで、大はしゃぎだった男性陣も、
第五道、第六道・・・そして七、八、九道と進むうちに、
ひとり脱落し、ふたり脱落し、
結局最後の第十道までたどりつけたのは全員ではなかったようだ。

すっかりつぶれてしまって、
テーブルにつっぷして寝入る人もちらほら。

私?
もちろん、第十道までしっかり飲んだ。
最後はほとんど義務感。
やっぱり物事は最後までやり遂げないとね。


■お店情報
九春堂酒坊
天津市河北区天秦路芳草園442号(北洋橋)
022-2661-9698


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豆腐の醤油あんかけ
豆腐脳(dou4funao3)
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【データ】とき:4月15日/ところ:天津・中山食街/ねだん:1.1元

天津的早点の第三弾は、豆腐脳。
と言いたいところだが、どうも天津では老豆付(腐)と呼ばれている模様。

豆腐脳(dou4funao3)=老豆腐は、
ゆるゆるに作った豆腐をお碗にすくい、
そこにスープをかけて食べる中国の朝ご飯メニュー。

北京の豆腐脳は、蝦の皮や海苔、ザーサイを入れた透明のスープで、
あっさりとした上品な味付けだが、
天津の豆腐脳は、醤油ベースでとろみのついたあんかけ豆腐だった。
茶色の豆腐脳だ。

大連あたりの豆腐脳も茶色だった。
透明系豆腐脳は、北京だけのものなのかもしれない。

豆腐脳で使う豆腐は、こんな風に給食の食缶みたいなでっかい鍋で作る。

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↑ちっと汚いですが。

これをひしゃくで豪快にすくってお碗に入れ、
あんをかけて薬味をふれば出来上がりだ。

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透明系豆腐脳を食べつけた私の口に、茶色系豆腐脳は合うのだろうか?

それが美味しかったのだな。
要はあんかけ豆腐なのでまずいはずはないんだけど、
ここの豆腐脳は豆腐がよかった。

北京で食べる豆腐脳の豆腐は、
いつも焦げ付いたような匂いというか味が若干残っていて気になっていた。
ところがここの豆腐にはその焦げ臭さがまったくないし、
おまけに豆の風味が濃厚だったのだ。

それは豆漿(dou4jiang1=豆乳)でも同じこと。
おっと、ここでも呼び名が違う。
天津では漿子(jiang1zi)と言うらしい。

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北京で飲む豆乳は、焦げ臭さが鼻につくのと若干味わい不足なのとで、
私はほんの少しお砂糖を入れたくなるのだけれど、
ここの豆乳はまったくその必要を感じなかった。

いやはや、恐れ入りました。

天津的早点。
これのためだけに、また泊まりがけで行っちゃうかも。天津。


■お店情報
中山食街入ってすぐ左手のお店
*中山食街は、市中心方面から金剛橋を渡り、
ホリディ・インを通り過ぎてさらにしばらく進むと右手にあります。


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緑豆おこげの醤油あん
鍋巴菜(guo1bacai4)
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【データ】とき:4月15日/ところ:天津・中山食街/ねだん:1.8元

天津的早点、天津の朝ご飯は煎餅[食果]子だけでは終わらない。

「朝飯なら鍋巴菜を食べるといいよ。
中山食街の入ってすぐ左手の店のが美味いよ。」
地元っ子に勧められて、鍋巴菜なるものを食べてみた。

驚いた。
日曜朝8時すぎの屋台街には、人があふれていた。
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お目当てのお店の店先もこの混雑だ。
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「鍋巴菜と豆乳ちょうだい!」
持参の容器に入れてもらって、お持ち帰りするおばあちゃん。

「ちょっとアタシの鍋巴菜いつ出来るのよ!
[食果]子がやわらかくなっちゃったじゃないの!」
食券を突きだしながら、店員に怒鳴りつけるおばちゃん。

鍋からはもうもうと湯気が上がり、
朝ご飯を求める人々がその湯気に向かって押し寄せる。

なんだかワクワクしてきた。
北京の街でこんな朝の風景が見られなくなって久しい。
朝ご飯の屋台も、朝ご飯を専門に出すような小さな食堂もめっきり少なくなった。
天津にはまだ、こんな朝の風景が普通に残っているようだ。

鍋巴菜(guo1bacai4)は大豆緑豆から作った鍋巴という食品を使った料理。
(大豆ではなくて、緑豆だそうです。2008/10/31訂正)
標準中国語だとグォバツァイになるはずだが、
地元っ子の発音ではガーバツァイに聞こえるのがちょっとユーモラスで楽しい。

これが鍋巴。
P1030687.jpg


鍋巴はもともとはおこげという意味だから、
おそらくこれは大豆緑豆の汁か何かを鍋肌に薄く伸ばして軽く焼いたものだろう。

三角形に切りそろえられて、なんだかペナントみたいな形になっている。
すごく薄くて、ペラペラしている。

これをとろみをつけたスープにごそっと放り入れて、ほんの少し火を通す。
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5秒もたたないうちに汁ごと引き上げてお碗によそり、薬味や調味料をかける。
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あっという間に鍋巴菜の出来上がりだ。
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お碗を持って店内に入り、空いている席を見つけて座る。
隣のおじちゃんが、鍋巴菜をレンゲでかき回している。
ふーん、まずはああしてかき回すのね。
地元の料理は、地元の人たちの食べ方をまねるに限る。

かき回してみると、汁の中で鍋巴がひっついている。
なーるほど。
最初によくかき回しておかないと、
鍋巴どうしがくっついてしまって汁がうまく絡まないのか・・・。

鍋巴は、ペラペラの大豆クレープ。
でもちょっともさもさしている。

これにとろみのついた甘辛醤油ベースの汁がよく合う。
鍋巴だけだとちょっと貧乏ったらしいが、
甘辛醤油タレがからむとぐっと美味しさが増す。

鍋巴が軽い質感であまりお腹にもたれることもない。
朝ご飯にはぴったりだ。

これ、北京にもあったらいいのに!


■お店情報
中山食街入ってすぐ左手のお店
*中山食街は、市中心方面から金剛橋を渡り、
ホリディ・インを通り過ぎてさらにしばらく進むと右手にあります。


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